771: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/06(火) 13:55:22.15 ID:hNufaooJ0
  
 歩夢「そっか……」 
  
  
 これだけいろんなお花があるから、こんな風にお気に入りの花を見つけられないフラベベがいるなんて考えたことがなかった。 
  
  
 侑「──歩夢〜!! どこ〜!?」 
  
 歩夢「あ、いけない……」 
  
  
 花畑の中で屈んでいたからか、侑ちゃんが大きな声で私を探し回っている。 
  
  
 歩夢「侑ちゃん、ここだよ〜!」 
  
 侑「あ、いた!」 
  
 かすみ「歩夢せんぱ〜い! 早く行きますよ〜!」 
  
 歩夢「う、うん」 
  
  
 かすみちゃんに促されて、行こうと思ったけど。 
  
  
  「……ベベ」 
  
 歩夢「……」 
  
  
 なんとなく、このフラベベを放っておけなくって……。 
  
  
 歩夢「……ごめん、侑ちゃん、かすみちゃん、先に行ってもらってていい?」 
  
 侑「え? いいけど……一人で大丈夫?」 
  
 歩夢「うん、大丈夫。すぐに追いつくから」 
  
 かすみ「それじゃ、かすみんたち、先に行きますね! 行きますよ、侑先輩!」 
  
 侑「あ、うん! それじゃ、歩夢、何かあったら連絡してね!」 
  
 歩夢「うん、わかった」 
  
  
 侑ちゃんたちが先に行ったのを確認してから、もう一度花畑の中でしゃがみこむ。 
  
  
 歩夢「フラベベ」 
  「…ベベ?」 
  
  
 私はフラベベの小さな体を抱き上げる。 
  
 ……抱き上げると言っても、フラベベは手の平に乗るくらいのすごく小さなサイズだから、手の平で掬い上げる……くらいの表現が正確かもしれないけど。 
  
  
 歩夢「私もあなたのお花探し、一緒にしていい?」 
  「ベベ?」 
  
 歩夢「あなた一人じゃ移動も大変だろうし……どうかな?」 
  
  
 訊ねると、 
  
  
  「ベベ、ベベ」 
  
  
 フラベベはコクコクと頷く。 
  
  
 歩夢「ありがとう♪ それじゃ、素敵なお花、見つけよっか♪」 
  「ベベ♪」 
  
  
 私は太陽の花畑で、フラベベのお花探しをお手伝いすることにしました。 
  
  
  
  
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20