827: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:32:51.83 ID:9oar5n900
  
  「──“バレットパンチ”!!」 
   「ハッサムッ!!!!」 
  
  「サマヨォッ!!!!?」 
  
  
 弾丸のような速度で、真っ赤なポケモンが、ゴーストポケモンを殴り飛ばしていた。 
  
 そして、それと同時に、一人の女性が駆け寄ってくる。 
  
  
 女性「大丈夫!?」 
  
 菜々「は……はい……っ」 
  
 菜々母「あ、ありがとうございます……!!」 
  
  
 気付けば周囲では、その女性以外にも、駆け付けた“ポケモントレーナー”と呼ばれる人たちが、ゴーストポケモンたちと応戦を始めていた。 
  
  
 女性「ポケモンは私たちがどうにかするから、早く行きなさい!」 
  
 菜々母「は、はい……! 菜々、立てる?」 
  
 菜々「う、うん……」 
  
  
 お母さんに肩を貸してもらって、私は足を引きずりながら歩き出す。 
  
  
 菜々母「お父さんの会社まで行けば、きっと安全だから……! 頑張って……!」 
  
 菜々「う、うん……」 
  
  
 ローズの大きな会社は災害時にも機能を失わないために、非常に頑丈なつくりをしている。 
  
 父の会社も例外ではなく、しかもゴーストポケモンが侵入出来ないように、特殊な磁場で防ぐ機構もあるそうだ。 
  
 そこを目指して、再び進み始める。 
  
  
 菜々母「きっと、大丈夫だからね、菜々……!」 
  
 菜々「うん……」 
  
  
 私は逃げながら──ふと、今助けてくれた人の方を振り返る。 
  
  
 女性「“バレットパンチ”!!」 
  「ハッサムッ!!!!」 
  
  「ゴスゴスッ!!!?」 
  
  
 女性は今も懸命にゴーストポケモンたちを撃退し続けている。 
  
 いや、その人だけじゃない……。 
  
  
 男性トレーナー「キリキザン! “メタルクロー”!!」 
  「キザンッ!!!」 
  
 女性トレーナー「クチート! “アイアンヘッド”!!」 
  「クチッ!!!」 
  
  
 たくさんのトレーナーたちが、街の人を守るために、戦っていた。 
  
 私はその姿を見て、心の底から……思った。 
  
  
 菜々「──……かっこいい……!」 
  
  
 ── 
 ──── 
  
  
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