【ミリマス】げき子「鈍色の光を見つけて」
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12: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:10:57.92 ID:YjhaJr8i0



新緑に染まった木々たちが海風で揺れて、さらさらと音を立てている。
窓辺に寄ると、音のざわめきに合わせたみたいに湿った潮のにおいがした。
以下略 AAS



13: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:11:51.57 ID:YjhaJr8i0

お昼の時間を少し過ぎた頃、劇場のみんなはエントランスに集まっていた。
今日劇場にいた子たちは全員いるみたい。だいたい二十人くらい、かな。
これだけの人数が集まると、広いエントランスも少し手狭に感じた。

以下略 AAS



14: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:12:29.92 ID:YjhaJr8i0

もしも私がアイドルだったのなら、こんな想いは知らないままで居られたのに。
もしも私がプロデューサーだったのなら、みんなの隣で、みんなをずっと支えることが出来るのに。

私の心に、嫌な感情が蛇のように纏わりついて離れなかった。


15: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:13:19.76 ID:YjhaJr8i0

三人を見送ったあと、私は劇場の屋上にいた。
この場所だと、一人になれるから。

建物の壁際に据え付けられた腰掛けに、私は腰を下ろした。
以下略 AAS



16: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:14:19.24 ID:YjhaJr8i0

「げき子さん。……良かった、ここにいたんですね」

壁の影から顔を出したのは――箱崎星梨花ちゃんだった。

以下略 AAS



17: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:14:55.34 ID:YjhaJr8i0

「……ありがとう、星梨花ちゃん。私のことを心配してくれて」

 私は、少しだけ深く息を吐いた。

以下略 AAS



18: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:15:32.77 ID:YjhaJr8i0

運河の方から微かに風が吹いた。葉が擦れる音がした。

「わたしは……わたしは、げき子さんにそんなこと言ってほしくないです」

以下略 AAS



19: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:16:30.54 ID:YjhaJr8i0

「……星梨花ちゃんは、強いね」

ぽつり、そう溢れた。

以下略 AAS



20: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:17:23.89 ID:YjhaJr8i0

そんな中、私の手に、何かが触れた。
柔らかくて暖かくて、きゅっと私の手を握った。
それは、星梨花ちゃんの、小さな両手だった。

以下略 AAS



21: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:17:53.55 ID:YjhaJr8i0

「星梨花ちゃん、さっきはありがとう。私も、星梨花ちゃんみたいに頑張ってみるね」

「はい、げき子さん。一緒に、頑張りましょう!」

以下略 AAS



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