71: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 00:39:26.94 ID:c3b0uZJF0
  
 あまりに突飛な話が次々飛び出すせいで、そろそろ頭がパンクしそうだった。 
  
 そんな中、口を開いたのは、 
  
  
 せつ菜「あの……ちょっといいですか」 
  
  
 せつ菜ちゃんだ。 
  
  
 せつ菜「この人……いつまでこうしておくんですか」 
  
 千歌「…………」 
  
  
 そう言いながら、目で示すのは──足元にいる千歌さんだ。 
  
  
 せつ菜「せめて、ベッドに寝かせるくらいは……」 
  
 果林「あら、あれだけ酷いことしたのに……随分優しいのね?」 
  
 せつ菜「…………」 
  
 果林「まあ、抵抗されても困るから、手持ちのボールを回収して開閉スイッチを壊して……本人をベッドに縛り付けておくくらいはした方がいいかしらね……」 
  
  
 そう言いながら、果林さんが千歌さんに近付き──千歌さんの腰に手を伸ばす。 
  
  
 果林「貴方に恨みはないんだけれどね……貴方の強さは、私たちの計画を実行するに当たって邪魔なの。ごめんなさいね」 
  
  
 そして、彼女のボールベルトから、ボールを外そうとして── 
  
  
 果林「……あら?」 
  
  
 ボールを掴んで、引っ張るが──ボールはベルトから外れるどころか、びくともしない。 
  
  
 果林「外れない……?」 
  
 姫乃「どうかされましたか……?」 
  
 果林「ベルトからボールが──」 
  
 千歌「──……このベルトについてるボールは、私にしか外せないよ」 
  
 果林・せつ菜「「……!?」」 
  
  
 急に発せられた、千歌さんの声に、果林さんとせつ菜ちゃんが驚いて飛び退く。 
  
  
 歩夢「ち、千歌さん……!?」 
  
 千歌「……いたた……死ぬかと思った……」 
  
 果林「貴方……いつから、意識が……」 
  
 千歌「今さっき……。……ここ……ウルトラスペースかな……? 来たのは初めてだけど、こんな感じなんだ……」 
  
 愛「……へー……。そこまで知ってるんだ」 
  
 千歌「私たちもずっと調べてたからね……」 
  
  
 千歌さんは喋りながら、ゆっくりと身を起こしながら、腰に手を伸ばす。 
  
  
 果林「……それ以上、動かないで」 
  「──コーンッ!!!」 
  
  
 気付けば、果林さんのキュウコンがボールから飛び出し、尻尾の先に炎を灯しながら、千歌さんに突き付けていた。 
  
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