521:名無しNIPPER
2023/08/04(金) 23:39:23.40 ID:ZpUa5bF+o
我々の研究所は、最初からデジモン研究のために設立されたものではない。
正しい名前は「バイオシミュレーション研究所」。
生物の肉体をコンピューターシミュレーションで模倣し、様々なことに役立てることを目指す研究所である。
たとえば新薬の開発をしたり、電動義手・義足のシステム開発をやったりした。
シミュレーションの対象は人体だけではない。
微生物やウィルス、異常プリオンタンパク質などのシミュレーションを行い、肥料や農薬の開発に携わることもあった。
他にも、地層の画像データを解析して、生物の痕跡を探す…といった研究もしていたのである。
…そんな我々に、カンナギ・エンタープライズが、デジクオリアによるデジタルワールド観察を依頼してきたのは…
我々が『生命らしい情報』を見つける観察眼を持っていることを期待したかららしい。
実のところ、最初にポヨモンを発見するまでの間に、デジクオリアは何度も改良を重ねている。
当初は、デジクオリアの画面にはランダムノイズのようなものばかり映っていたが…
その中に、ほんのわずかながら、指向性のある動きをする標本データが見つかった。
生物のようであり、水の流れのようでもあった。
それらをより鮮明に認識できるように、デジクオリアの人工知能や画像出力システムを改良し続け…
そしてついに、我々はあの時ポヨモンを見つけたのだ。
…そういうわけで、我々でも研究所に在籍する研究員の多くは今でも、『デジモン研究よちも前にやっていた研究』に取り組んでいるのである。
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