剣聖が鍛冶屋を営むようです
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2:名無しNIPPER[saga]
2024/02/24(土) 17:57:43.12 ID:Il1pPmGCO
遠い昔。生命力と魔力に満ちた大地が広がっていた時代。
ある神がヒトと呼ばれる種族を創った。それは後に人間と呼ばれた。
ある魔神も対抗し、同じくヒトを創った。それは後に魔族と呼ばれた。

神と魔神の仲はすこぶる悪く、些細なことで争い、憎み合っていた。
光、即ち生命を司る神と、闇、即ち死を司る魔神。
正反対の存在である二柱がお互いを忌み嫌うのは必然であり、そんな彼らが生み出した人類と魔族が対立するのも道理と言えよう。

お互いがお互いを見下し、罵り合う。そんな日々が続いたらどうなるかは言うまでもない。
当然のように戦争が始まり、大地が赫く染まるほどの血が流された。

どちらが真に優れたヒトか。どちらかが滅べば解るはずだと。
繰り返される侮蔑と嘲笑の果てに辿り着いた、優劣を決める手段。
それが絶滅戦争であり、そこに和解の選択肢は一切存在していなかった。

はずなのだが。どちらかが滅ぶまで終わらない戦争が、二人の犠牲によって、止まった。

人間の王子と魔族の姫君。決して交わるはずのない二人はお互いに惹かれ、そして結ばれることのない世界の不条理に嘆き、命を落とした。

何故二人が死んだのか。その顛末については定かではない。世界各地の伝承によって全く異なるのだ。
だが、その地域の風習に合わせ、先人の過ちを今を生きる子供たちに伝える。
その役割こそは不変であり先人の遺した教えを胸に、同じ過ちを繰り返さないように手を尽くす。

悲劇の主役たる王子の名は『アダム』。そして、姫君の名は『イヴ』。
この名前は、破滅に向かっていた世界に一石を投じ変革を為そうとした英雄として語り継がれている。


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