異説 ひのきの棒と50G
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80: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/18(木) 09:14:03.34 ID:TtxL8s290

 遠ざかる少年から、ひと時も目を逸らせなかった。
 ひのきの棒を腰に差し、懐には僅かな銅貨を忍ばせ、街から一人の若者が旅立っていく。

 私は、幸運であった。
 最期に、彼を見送ることができたのだから。
 そうでなければ、街を守ることのできなかった不甲斐なさに苛まれ、苦しみながら神に召されることになっていたであろう。



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