映画の脚本を書いて、ひとりの女の子と出会った話。
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4:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:03:48.64 ID:e+s7r/2n0
  
 決して、俺の話は手放しに褒められたということでもなかった。 
  
 要約すれば、深夜、男の部屋に家出した女がやってきて、 
 近くのGEOで借りた古いレンタルビデオを 
5:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:04:26.61 ID:e+s7r/2n0
  
 さて、各々が準備を進めていくうえで、 
 俺の作業には大した余裕は与えられてなかった。 
  
 配役を決めるにしたって、まずは脚本が必要だ。 
6:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:06:06.56 ID:e+s7r/2n0
  
 三日ほど経ってもルーズリーフは真っ白のままだった。 
 その時は焦りもあったが周りの期待に応えれないということも含めて、 
 微かな虚しさを感じていたな。 
  
7:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:07:08.40 ID:e+s7r/2n0
  
 何かが気になったわけでもないが、 
 そいつのことを何気なく観察することにした。 
  
 煮詰まって他にやることがなかったからだとしても、 
8:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:08:23.59 ID:e+s7r/2n0
  
 彼女の外見をまとめるとこんな感じだ。 
 ・ヒツジのような癖がある髪質 
 ・一見するとおとなしそうな印象 
 ・背丈は160センチくらい 
9:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:09:51.84 ID:e+s7r/2n0
  
 俺はそのとき、彼女の大学生活を想像して 
 ひとつのストーリーを書いてみることを思いついた。 
  
 無断で何をやってんだと言われても仕方ないが、 
10:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:11:55.51 ID:e+s7r/2n0
  
  
 結局、おれはその一週間後には脚本を完成させていた。 
  
  
11:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:13:15.11 ID:e+s7r/2n0
  
 仕上がった原稿を監督に見せてみたが、 
 反応は思いのほか悪くない評価であった。 
  
 「このヒツジって言うのが主人公?」 
12:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:15:22.57 ID:e+s7r/2n0
  
 「……で、役者はどうするんだ?」 
 先ほどから気になっていたことを何気なく尋ねた。 
  
 「だいたい決まってるよ」監督は煙草の煙を吐いた。 
13:名無しNIPPER[saga]
2024/08/15(木) 16:17:07.82 ID:e+s7r/2n0
  
 だから、その子が研究会にやってきた時は流石に驚いたな。 
 どこから連れてきたんだよって思わず言いそうになってたくらいだ。 
  
 ヒツジと呼ばれた女の子は皆に礼儀正しく挨拶をしていた。 
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