11:名無しNIPPER[sage saga]
2025/05/16(金) 20:54:12.79 ID:LYl+0qW60
「髪をほどいてくれぬか?」
「私が?」
「いつもしてくれていたじゃろう…今日はしてくれぬのか?」
寂しげなキサキの声に抗いきれず、先生はため息をついて櫛を手に取った。ベッドの縁に腰かけたキサキは満面の笑みを浮かべ、先生に背を向ける。
「ふふ…そうじゃ。ほどいたら丁寧に髪を梳いてくれ」
「門主様の仰せのままに」
「そんな風に命じた覚えはないぞ。誰にでも任せることでもない」
「キサキはしっかり者だからね」
「妾はな、先生にこうして髪を梳いてもらうのが好きなのじゃ」
「そうなの?」
「いつもは事が済んだ後にお願いしておるが…」
「ぶほっ、げほっ!」
先生が思わず咳き込むと、キサキは楽しげに小さく笑った。
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