12:名無しNIPPER[sage saga]
2025/05/16(金) 20:55:05.36 ID:LYl+0qW60
「ふふ…乱れた髪を丁寧に梳いてもらうと、大事にされているようで心地が良いのじゃ」
「…」
「まあ、その乱れの原因は先生なのじゃがな…整えてもらうのもまた一興じゃ」
「はい、綺麗になった。じゃあ、私はソファで寝るから。おやすみ!」
「先生」
呼び止められて立ち止まる。
「…」
「今日の先生はよく分からぬが、もしここが夢の中ならば、先生が目覚めたら妾は消えてしまうのかの?」
「…」
「そう思うと、一人で最後を過ごすのは寂しいのう」
「一緒に寝ると思ってる?」
「先生は生徒に甘いからの…ふふ。だが無理強いはせぬ。其方を困らせたくはない」
「…」
「添い寝するだけじゃ」
先生は複雑な感情が絡み合った末にため息を漏らし、諦めたようにベッドへ戻って布団をめくった。
「こんなことにならないように普段は気を付けているんだけどね」
「いつも苦労をかけるのう」
キサキは悪戯っ子のように笑った。嬉しそうに手を伸ばして、そこには確かに先生がいた。
「ふふ」
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