2:かがやきさん
2025/06/19(木) 08:21:53.07 ID:ILqwg5iz0
🎬『かがやきさん』プロローグ|セリフ台本(登場編)
📍舞台
就労継続支援B型事業所「かがやき」。
月曜の朝、フロアにはすでにメンバーたちが集まり始めている。今日は新しい見学者が来るという話で、皆少しだけざわついている。
🎭登場人物(このシーン)
佐藤 誠二(41):元利用者で現在はOB的立場。穏やかな空気をまとう先輩。
浅野 ルナ(20):見学に来たばかりの静かな若者。不安と期待が入り混じっている。
桜桃 朱梨(28):元一般就労経験者のツンデレ支援スタッフ。勝ち気だけど面倒見がいい。
一ノ瀬 陸(34):理知的で感情をあまり出さない男性利用者。
白川 しろみ(27):癒し系の利用者で脚本や創作活動をしている。
📝シーン:月曜の朝、初対面
(扉が開き、浅野ルナが支援員に付き添われて入ってくる。フロアの数人がそっと彼女に目を向ける)
佐藤誠二(やさしく、静かに)
「おはよう。……はじめまして、だね。佐藤です。元利用者なんだけど、今は時々顔出してます」
浅野ルナ(緊張しながら)
「……は、はじめまして……」
(朱梨が軽く笑いながら近づく)
桜桃朱梨(気さくに)
「見学さんでしょ? 私、桜桃。朱梨って書いて“あかり”。支援員やってるけど……ちょっと口うるさいから気をつけて?」
浅野ルナ(思わず苦笑)
「……あ、はい……」
白川しろみ(ふわっと微笑みながら)
「私は、白川しろみです。ここで創作とか、文章のお仕事をしてます。……緊張してる?」
浅野ルナ
「ちょっとだけ……」
白川しろみ(優しく)
「大丈夫。最初はみんなそうだったから。……私も、最初はずっと黙ってましたよ」
(それを聞いた朱梨がつい笑う)
桜桃朱梨
「いや、今じゃ信じられないくらい喋るしろみがねぇ」
一ノ瀬陸(静かに口を開く)
「……それでも、今の彼女があるのは、ここで少しずつ積み重ねてきたからです。……焦ることはない」
(ルナ、少し驚いたように陸を見る)
浅野ルナ
「……一ノ瀬さん、ですか?」
一ノ瀬陸
「うん。あなたのような人を、何人も見てきた。だからわかります。……“ここ”で大丈夫だよ」
(少しだけ空気が和らぐ)
佐藤誠二(少し背を伸ばして)
「さて、今日から“ここ”があなたの場所になるかもしれない。気負わず、見ていこう。ね?」
浅野ルナ(小さく、でも確かに)
「……はい。……お願いします」
📍ナレーション/白川しろみ(後の語り)
「“かがやく”って、何だろう。
強く光ること? 誰かよりも前に出ること?
……私たちは知ってる。
ほんの少しずつでいい。小さな光でも、誰かを照らせるってことを──。」
✨つづく…
この「かがやきさん」は、光を求める6人それぞれが「他者との出会い」を通じて、静かに変化していく群像劇です。
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