59:名無しNIPPER
2025/07/06(日) 21:40:37.18 ID:DoX+pG4l0
賑やかな空間で、みんな各々楽しそうにしていて
ちょっと怒ってる人、期限の悪そうな人もいるけど、けどどれもこれも今の状況を考えると軽すぎる状態で。
「なんか…どうでもよくなっちゃったかも」
隅っこの方でジュースを飲みながらボソッと呟いた
完全に色々諦めちゃってる発言だけど、実際本当にそうだ
色んな人とお話して、色んなことを聞いて、完全に吹っ切れた感じがした
いい意味での諦め、なんというか前を向けたというかそんな感じの。
「…空気が変わった」
森守さんがそんな私を見てポツっと話しかけてきてくれた
「そう…ですね、なんだかもうどうでもいいかなぁなんて」
「…どうでもいい?」
「はい。なんかいい意味で吹っ切れちゃいました。
記憶喪失なのもこの状況のことも、ぜーんぶひっくるめてどうにかなりそうって感じで」
「…そう」
吹っ切れた、前を向けた、どうにでもなりそう
そうは言ったけど一抹の不安はあった。
けど心配していても多分前には進まなくて
だったらもう今この状況を全力で楽しむしかないのかも
さっき本多さんが言っていたこと、少しだけ理解できたようなそんな気がする。
「…お気楽」
「森守さんはどう思ってるんですか…?」
前を向いた私に対して森守さんはフッと小さく息を漏らした
呆れたような安心したような、安心しようとしているような
なんだかそんな複雑な何かが隠れているようなそんな気がした。
「…怖がらせるつもりは無い。
ただ、この山は少しだけ…おかしい。」
「おかしい…?」
「…多すぎる、あまりにも」
「何が…ですか?」
「毒、植物動物。誰かがまるでここに寄せ集めたような。
…それらを何者かが管理している」
背中に冷感スプレーを振ったように後ろが急に冷えた気がした
森守さんの言っている意味、実際の状況、私には分からなかったけど
けど、そんなこと分からなくても、森守さんの言葉はすごく重たく聞こえた。
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