【デレマス】橘ありす「花にかける呪い」
1- 20
17:名無しNIPPER
2025/07/31(木) 00:48:56.55 ID:DoK8Vme/0
「……その代わりに娘を、ということですか」
「まさか、全ての利益を考えた結果ですよ。私どもは有能な顧問弁護士とスターの原石を、貴女は新たな取引相手と安定した収入源を、そして娘さんは夢の舞台を得られる。私どもが出来る提案としては破格のものかと」

 現実問題として橘家の財政は苦しい。また、全ての人が得をしている。恐らくこれで何とかなるだろう。
 あまり得意ではないが、しっかりと珊瑚さんの顔を見る。その表情は値踏みして……いや、不信感だ。よほど信頼されていないらしい。あるいは信頼以前の問題だろうか。

「何故そうまでして娘を芸能界に入れたがるのですか?」
「それだけの才能と熱意があり、彼女の将来にも繋がるからです。貴女が以前おっしゃったように私は若手です。しかし、それでも彼女は別格の存在なことは簡単に分かります。経営者というよりはいちプロデューサーとして、彼女が望む高さまで運びたい」
「才能!便利な言葉です。芸能界の誰もがそう言えば信じてくれると思っています。その正体を知る者はあまりにもすくないのに!」

 珊瑚さんはセイレーンのように歌いあげた。一面の事実ではある。正面から押し切るには無理があるな。よし。最後の手だ。
 ここから俺は色々詭弁を撒き散らす。彼女のポーシャになるため、そして俺のため。高邁な理想と下劣きわまりない妄想の行き着いた先はちっぽけなデマゴーグというわけだ。くそったれ。こんな業界、俺の代で潰れてしまえ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
38Res/29.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice