【デレマス】橘ありす「花にかける呪い」
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26:名無しNIPPER
2025/07/31(木) 01:00:49.83 ID:DoK8Vme/0
 自分の手でコーヒーを淹れる人間も少なくなった。それでも2人だけのコーヒーミルは機嫌良さげに豆を砕く。ここ最近は2人が交代で淹れることになっていた。粉にゆっくりと少し冷めた湯を入れてドリップし、完成。2人の舌に合った温度になるまで置いて、口をつける。変わることのない味と豊かな香りが2人を包んだ。

「腕を上げましたね」
「最初の頃のお前も酷いもんやったよ。コーヒーにいちごを混ぜようなんて言うた時はひっくり返ったわ……ようここまで変わったなぁ」

 彼女の料理音痴ぶりが世の中に出なくてよかったものだ。完璧なものは一つで十分だ、ということなのだろう。

「変わったのはプロデューサーです。頼りがいのある背中は薄汚れていましたし、容赦無く見えて誰よりも優しかったんですから」
「お前も変わったよ。口を開けば論破しにかかったくせに誰よりも甘えたがりやった娘が、今じゃ事務所一のお姉さんや」
「それが成長ですよ。橘ありすは進化し続けるんです」

 にこりと笑う。相変わらずだなと思ってーふと気付いた。目が真面目だ。姿勢を正す。

「……場所、変えるか?」
「ここが、いいです」


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