俺の高校生活がこんなに急に桃色に染まるわけがないっ!
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5:名無しNIPPER[sage]
2026/03/02(月) 19:43:26.26 ID:7M8zy6LSO
あれから1ヶ月、いろいろなことがあった。
涙だけでは済まされない思い出の数々ーー。

すべては今日のための伏線に過ぎなかったのだ。

舞台袖に立った俺は、ちらりと会場の方を見る。

超満員の会場は、すさまじい熱気に包まれていた。
すし詰めになった観客たちから発せられた期待感が、熱気となって迫ってくる。

「っつーーー」

その様子を見ていた俺は、思わず息を飲んでしまった。

こんなどでかい舞台《ハコ》でのライブを、アイドル活動を始めたばかりのエスケープ団が成功させられるのか? 
いや、あり得ないだろーー?

正直に言ってしまおう。この期に及んで、俺はビビり散らかしている。

「あんたは情けないわね。ここまで来たらやるしかないのよ!」

弥生さんの人差し指が、ピッと俺の眉間を差している。
あんたの傍若無人っぷりには、逆に安心させられるよ。

「そうそう。永遠くんが不安がってどうするのよ??」

めいも声をかけてきた。このロリっ娘も、いつも通り小うるさいな。
ガキ扱いするんじゃねえって。

「永遠さん、もう引き返せないんですよ。賽は投げられたって言いますからね。私たちはルビコン川を渡り切ったんです」

ふとフレグランスが香った。皐月さんのやさしい雰囲気は、上ずった俺の気持ちを落ち着かせてくれる。

思えば、こんなやり取りも、もうすっかりおなじみのものだ。

「さて!」

弥生さんが、いつものように大きく手を叩いた。

「グダグダおしゃべりをしている暇はないのよ。みんな、覚悟を決めなさい。これは団長命令なんだから!!!」

「そうそう、先輩の言う通り。私たちの部活を守るために失敗するわけにはいかないのよ」

「さっさと成功させて、受験勉強に専念したいですしね。光陰矢の如しって言いますから」

3人のかけあいに、思わず笑みがこぼれた。
こんな活動がいつまでも続けば良いなんて、ガラにもなく感傷的なことを考えてしまう。

「ったく、みんな相変わらずですね。じゃあ、いつも通りいきましょう。かましてやりましょうや、俺たちの存在の証明(=音楽)を」

そうだ。腹をくくろう、やるしかないのだ。

いざ、夢の戦場《ステージ》へ……!!

薄暗い舞台袖が、俺には不思議と輝いて見えた。

(了)


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