63:1(ストック終わり)[sage]
2010/06/12(土) 21:26:47.14 ID:Z7J9VoA0
ディーがさっきから大人しいところをみると、どうやら本当に彼女に害意はなさそうだが――。
そういえばコートの隙間のアレ、眠っているんだろうか。
さっきからピクリとも動かないが、まさか死んでるんじゃないだろうな。
「……でだ。お前はオレの家の屋根で何をしてた?」
「んー…………」
薄目になり、しばし沈黙を下ろす少女。
言うのがはばかれるほどやましいことでもあるのか。
と思っていたら、あくびが出そうで出なかっただけだった。
「寝てた」
「…………えっ? それだけ?」
「そう」
この少女は、まったく面識もなにもない他人の家の屋根の上で寝ていたという。
寝てた「だけ」という。
こんな訳の分からない話があるか!
少女は再び薄目になった。
今度こそあくびかと思っていたら、「クチュン」と可愛らしいくしゃみ。
「さむい」
「……うん」
「中、入っていい?」
「えっ? 家の?」
「うん」
どうもよく分からないままだが、こんな薄着(主に下半身が)の女の子を真夜中の屋外に放置するのも気が引ける。
エリアの件もあってすこぶる抵抗もあったが、結局流される形で家に上げることになった。
彼女は自分を風霊使いの『ウィン』と名乗った。
1002Res/501.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。