過去ログ - 黒子「わたくしに、お目付け役ですの?」固法「近いうちに派遣されてくるそうよ」
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◆qOeedHp6KI
[saga]
2010/06/28(月) 02:18:30.29 ID:STDmowk0
金曜日の午後3時。
真意城大学の正門から顔に絆創膏をつけた男が出てきた。
紅黄碧(くおう あおい)、元『グループ』の下部構成員にして現下部研究員、そして風紀委員(ジャッジメント)にして白井黒子の監督員である。
「いや、いきなり俺の紹介文長すぎだろ」
ついでに言えば身長は170半ばで、AIM拡散力場の研究をしている大学生で、顔の絆創膏は昨日白井にぶちのめされた生傷である。
「うーむ、もうちょっとかっこよく魅せて、こう、なんというか、尊敬の眼を向けられるはずだったんだけどなぁ」
いまさら言っても後の祭りである。
彼の能力は読人感応能力<サイコパスヒューマン>と言われる読心能力(サイコメトリー)の一種。
実用面や汎用性からするとそもそも空間転移者(テレポーター)に及ぶべくもなかった。
「おーい、紅黄、もう今日はあがりか? なら早いけど飲みに行かないか?」
年下の中学生にのされた記憶を、能力差があるから仕方ないと強引に自分を納得させていたところ、後ろから声がかかった。
「酒? 早すぎるだろ、まだ3時だ」
「だからこそ飲むんだ、昼から飲む酒はそれでそれで美味い」
ニヤニヤしながら昼から酒を飲むアル中気味の男は、紅黄と同じくAIM拡散力場を研究している学生だった。
入学の頃からなにかと一緒になることが多く、時間があれば共にバカ騒ぎするような間柄だ。
だが、普段はともかく今日は先約があった。
「あー、悪いな、これから俺は風紀委員の仕事に行かねばならないんだ」
「なんだ、さぼり気味だったくせに」
『グループ』の方で忙しかったからな、とは流石に言えない。
「まぁな、でも今回はちょっと事情が違う。なんせ常盤台中学のお嬢様と二人きりで実地研修だ」
「んなぁ!? お、お前、そんなうらやましい」
「しかも研修期間の指定はなし、場所の指定も特になし、どこに連れまわそうが何しようが思いのままってわけだ」
ぐっふっふ、とわざとらしく口元をぬぐう。
「は、はんざいだ、取り締まるべき風紀委員がはんざいをおかそうとしてる」
「犯罪? バカを言うんじゃありませんですよ? これは風紀委員の実地研修なのですから」
「うおーー、俺も、俺も風紀委員になっておくんだったーー!!」
「くっくっく、まぁ諦めるんでやすな……というわけで、これから実地研修だ、飲みに付き合えなくて悪いな」
「おう、行け行け、んで性犯罪で捕まっちまえ」
誰が捕まるか、と軽くこづいて分かれる。
バカなやりとりをしたせいか、さっきまでの落ち込み具合が解消されたことに心の中で少しだけ感謝。
天気は快晴、疲労はなし、擦りむいた頬がちょっぴり痛いくらい。
実地研修初日、お嬢様との初コンビ開幕の出だしはそれほど悪くなさそうだった。
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