過去ログ - 一方通行「打ち止めが高校に入学すンだが……」
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2011/02/15(火) 05:09:10.29 ID:KThSVObc0
溜め息を吐いた一方通行は、打ち止めの方を向くと、手のひらを上にしてずいと手を差し出した。
「とっとと寄越せクソガキ」
「はい♪ ってミサカはミサカは差し出してみたり」
「ああ?!」
彼の手の上に置かれたのは、携帯電話ではなくて四角い箱。予想外の大きさに、一方通行はバランスを取り直しながら、可愛らしいピンク色した20cm四方の平たい箱を睨みつける。
「…オイ」
「開けて、ってミサカはミサカは促してみる」
きらきらとした期待の視線に圧されて、それよりも携帯をとっとと寄越せと詰め寄ろうとした気勢を削がれた一方通行は、チッと小さく舌打ちをすると、ベッドに腰をかけて箱の蓋を開く。
彼の赤い目に飛び込んできたのは、派手な色彩のガトー・ショコラ。『LOVE』と大書され、歪な形のハートマークのようなものが躍っているそれは、明らかに既製品ではない。と、すれば、傍らに座っている少女のこの様子からして、彼女が作ったものなのだろう。
スプレーチョコだのアラザンだの、はてはマーブルチョコやアポロチョコまで、零れ落ちそうな勢いで飾り付けられている。キャラキャラしたものが好きでかつ甘党の、彼女らしい雰囲気が溢れている代物だった。
「…何だ、コレ」
「見てわからないのかな? チョコレートだよチョ・コ・レ・エ・トってミサカはミサカはあなたに解説してみたり」
「はァ?」
「あなたは昨日が何の日だったかくらいわかるよね? ってミサカはミサカは確認してみる。交友関係が狭そうなあなたでも、さすがにバレンタインディくらい知ってるよねって、ミサカはミサカはもしかして知らないかもという若干の不安を今更抱いてみたり」
「…馬鹿にすンじゃねェよクソガキが」
「良かった、ってミサカはミサカはほっとしてみる。んー、当日に渡せなかったのは残念なんだけど、仕方ないよねってミサカはミサカは懐の広い女であることをアピールしてみたり。じゃあさっそく召し上がれってミサカはミサカはあなたにすすめてみる。あ、あなたのために作ったものだから、全部一人で食べてね、ってミサカはミサカは念を押してみたり」
そう言われたところで、一方通行の手は動かなかった。確かに仕事帰りで疲れているので、身体はカロリーを欲していないわけではない。しかし、このゴテゴテとした甘ったるい物体は、彼にとっては未知なる物過ぎて、なかなか食べようという気になれないのだ。
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