過去ログ - 一方通行「打ち止めが高校に入学すンだが……」
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323:101 [sage]
2011/03/24(木) 00:09:05.84 ID:J6ocZLJg0

 連休に行けなかったかわりとばかりに、旧姓黄泉川、現在は亀山の姓を名乗る保護者のもとに訪れていた打ち止めは、へろへろとした様子でリビングのソファーに倒れこむ。

「やっと寝てくれたよ、ってミサカはミサカは報告してみたり」

 夫妻の二歳になる息子の遊び相手をしていたわけだが、やんちゃ盛り暴れん坊盛りワガママ盛りの子どもの相手はなかなかに大変だった。本日亀山亮太は警備員としての仕事に出ており、一方通行は研究所の方に狩り出されており、打ち止めは孤軍奮闘して亀山家の王子様のお守りを頑張ったのである。

「家事が随分とできて助かったじゃん。ありがとう」

「どういたしまして。元気なのは良いけど、もうちょっと大人しいと嬉しかったかも、ってミサカはミサカは疲労困憊した様子を隠しきれないよ」

「あはは、そりゃあ私と亮太の息子だから仕方ないじゃん?」

 豪快に笑った彼女は、ソファーの上に倒れこんだ打ち止めために、ローテーブルにカルピスを置いた。

「はいよー。あと夕飯に作った煮込みハンバーグ、お土産に包んどくから。二人とも愛穂さんの本家炊飯器料理を久しぶりに堪能すると良いじゃんよ♪」

「ありがとう! ってミサカはミサカは起き上がってカルピスに手を伸ばしつつ喜びを露にしてみる!」

 相変わらず炊飯器万能説の流れるこの家庭では、複数個ある炊飯器がフル稼働しているらしい。離乳食からしっかりと炊飯器料理で育った息子の将来ちょっぴり心配だがそんなことはまあ置いておこう。同じくカルピスをいれたコップを手に、元祖炊飯器主婦はソファーに並んで腰を下ろす。

「それにしてもアンタたち、けっこう上手くやってるみたいじゃん? 子どもの二人暮らしは亀山先生的にちょっぴり心配だったけど」

「あの人は一応成人してるけど、ってミサカはミサカは突っ込んでみたり」

「先生的に教え子ってもんはいつまでたっても子どもなの。家事は打ち止めがやってんだよね。アンタが熱出したって聞いて、心配になってお見舞いに行ったら、アイツがちゃんと看病してて先生ホッとしたじゃん」

「あの人は家事スキルあるけどやらないだけだからね、ってミサカはミサカは圧力鍋いらずのベクトル操作能力は反則だといつもいつも…っ」

 本人にやる気はないものの、家事方面にその能力を発揮すれば、まさに『一家に一台一方通行』状態なのである。いっそスーパー多機能冷蔵庫と、超強力発電機とあわせて『学園都市トップ3セット』でも発売すれば、主婦には大いに受けること間違いない。
 閑話休題。亀山愛穂はカルピスを啜りながら、リビングの隅に飾られたフォトプレートに視線を走らせる。嘗て一時期居をともにした『家族』の記念写真も、その中に一枚しっかりと紛れ込んでいる。


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