過去ログ - 一方通行「打ち止めが高校に入学すンだが……」
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324:101 [sage]
2011/03/24(木) 00:10:36.63 ID:J6ocZLJg0

「ぶっちゃけアイツがちゃんと保護者なんてやれんのか、ってちょっと心配してたじゃん。仲良くはやっていけるとは思ってたけど、それだけじゃあないからね。入学式とか面談とかも、何だかんだ言って都合つけて来てるみたいだし、それにしっかり生活できてるみたいだし――って、それはアンタの力も大きいか。ちゃんとアイツが一般的な生活リズムで一般的な生活をおくれてんのも、アンタが一緒だからだと思う。ほんっとに『家の娘(ラストオーダー)』は出来た子じゃんよー」

 わしゃわしゃと打ち止めの頭を撫でれば、体育教師兼警備員兼一児の母の力は本人が思ったよりも強かったらしく、打ち止めの持ったカルピスが零れそうなくらいに揺れた。危ないー、と言って騒ぐのを、悪い悪いと悪びれた様子もなく謝って、とある教師は快活に笑う。

「にしてもアンタも随分家事能力上がったみたいじゃん? 今日持って来てくれたクッキー、あれはさすがに炊飯器で作れない味じゃん?」

「うん、オーブンで作った、ってミサカはミサカは炊飯器でクッキーまで焼く気満々だったという事実に今更ながら驚愕してみる」

「いやいや、ケーキはいけるって。それより学校と家事、両立は大丈夫?」

「大丈夫全然平気ミサカは問題ナッシング! って突然の先生らしい質問に大きくなった胸を張って応えてみる! 授業は常盤台でやった既習事項でそのときの学力が落ちないように勉強してるし、あと家事とかはあの人もちょくちょく手伝ってくれるし、今日だってハンバーグ貰って帰るし、常盤台にいたときみたいに能力開発に追われてるわけでもないし、ってミサカはミサカは心配無用なのだということをアピールしてみたり」 

「それなら良かった。こ〜〜〜〜んな小さかったアンタが、立派に成長して愛穂さん嬉しいじゃんっ!」

「そ、そこまで小さくなかったってミサカはミサカは苦しいヨミカワはなしてっ!」

 体育教師兼警備員兼一児の母の力で力いっぱい抱き締められて、打ち止めはばたばたと暴れた――実際スキルアウトを確保できるほどの腕力である。思わず呼びなれた旧姓で呼んでしまっても仕方がない。

「あはは、ゴメンゴメン。子どもの成長を見守るのはやっぱり大人として格別の喜びがあるもんじゃん? まあ許せ」

「ううううう…自分の力がどれくらいかっていうの、ちゃんと自覚した方が良いと思うよ、ってミサカはミサカは涙目になりながら亀山先生に意見してみる…」

 ぐちゃぐちゃになった髪を手櫛で直して、打ち止めは徐にソファーに座りなおした。そして一言。

「ミサカ、ちゃんと成長してる?」

 虚を衝かれた形でワンテンポ遅れた亀山愛穂は、すぐに真面目な雰囲気になって、どうしたとその問いの理由を質しにかかる。



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