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630:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage　saga]
2011/04/19(火) 19:05:54.13 ID:C7qG9Sg60

一方通行「あァ？　あの二人は何処行きやがったんだ？」

ここは黄泉川家のリビング。
一人雑誌を読みながら珈琲を嗜む芳川に、一方通行はそう問いかける。

芳川「買い物よ。二人仲良くね」

一方通行「そォか」

一方通行はそれだけ言うと、珈琲を煎れにキッチンへと…否、珈琲を取りに冷蔵庫へと向かう。
缶珈琲を一本空にするのが、一方通行の毎日の習慣であり、朝食の代わりでもあった。

芳川「あなたって、本当にズボラよね。朝食くらい自分で用意すればいいじゃない」

一方通行「お前にだけは言われたかねェな。それに俺は低血圧なんですゥ」

芳川「これだけ日が昇って、低血圧も何もないわ」

チッ、と舌打ちして、一方通行はリビングのソファに身体を預ける。
芳川は大体この時間に起きるが、一方通行はそうではない。
しかし、反論するのも面倒くさく、そのままふてくされた様に押し黙った。
寝起きは本当にだるい。
幸い特段することもないので、とりあえずあの二人が帰ってくるまでボォっとすることにしよう。
無駄に元気の余ったあの二人に比べて、こちらの二人は随分省エネである。
芳川も、このまま無為に暇をつぶすのだろうと思った時、芳川が口を開いた。

芳川「一方通行、セックスしない？」

ダラァ、と口に含んでいた珈琲がシャツの襟元を濡らす。
精神電波だとしたら、随分愉快で有害なこったと、現実逃避を試みる一方通行。
汚れたシャツも気にせず、二度寝でもして夢の世界に逃げ込もうと思う彼に、芳川の無慈悲な追撃が襲いかかる。

芳川「セックスしない？　って聞いたんだけど」

一方通行「聞こえてるわボケェ！！」

叫んだ後、ツッコんでしまった、と後悔する一方通行。
ここは夢の世界、メルヘンワールドに逃げ込んででも、無視するべきだった。
しかし、もう遅い。

芳川「聞こえてるなら返事くらいしなさいよ。私一人でセックスなんて独り言呟いてるなんて恥ずかしいじゃない。痴女みたい」

一方通行「…いきなり何の前置きもなくセックスしようなんて持ちかける女が、痴女じゃねェっていうのか？」

芳川「あなたと私の仲じゃない」

一方通行「そンな仲じゃねェのは確かだな」

芳川の顔を見てみるも、あくまで真顔である。
真意が探れない。
探りたくない、というのも本音ではあるが。
しかし芳川は今でこそ無職で怠惰で変人ではあるが、元研究者であり、何か思惑が無い、とも言い切れない。

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