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631:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage　saga]
2011/04/19(火) 19:06:26.83 ID:C7qG9Sg60

一方通行「それでェ、てめェは俺にそんな愉快な提案持ちかけて、どうしようってンだァ？」

芳川「いや、最近欲求不満なのよ」

ブフォッ、と本日二度目の珈琲逆流。
したものの、飽くまで気にせず、芳川の顔を見る。

芳川「あなた、シャツすごいことになってるわよ？」

一方通行「ンんなことはどうでもいいンだよォ！！　なンなンですかァ！？　てめェは欲求不満になったら誰彼構わず声掛ける売女なンですかァ！？」

芳川「そう、それよそれ」

一方通行「あァン？」

芳川「あなた、性経験には疎いくせに、そういう性的な暴言についてはやたらボキャブラリーが豊富なのよね」

一方通行「はァ？」

芳川を訝しげに、というかまるでキチガイでも見るかのように睨みつける一方通行。
そんな彼を何処吹く風といった感じで、説明を続ける芳川。

芳川「つまりね、保健体育の授業を受けてない、まともな青春を過ごしてないそんなあなたに性教育を施してあげようってわけ。どう？」

一方通行「…」

確かに、一方通行はその成長過程において、能力向上以外のまともな教育を受けていない。
第一位が音楽の時間にぴーぴーリコーダーを吹いてるなんてお笑い草だし、道徳を学んでたならあんな実験は受けていない。
いや、道徳よりもむしろ同じ年の子供との交流が一切なかったことの方が問題ではあるだろう。
そう言えば…と、一方通行は昔の自分の気持ちを思い出す。

芳川「あなた、私のことが好きだったのよね」

そう言えば…。
俺は、確かにそうだったなァと、彼は思う。
あの糞溜まりのような研究所の、蛆みたいな研究者たちの顔を思い出す。
そんな中、甘い彼女の、教師を目指していたらしい彼女の振る舞いに、彼がどんな気持ちを抱いたのかと言えば。
それは一つの救いのようなものだったのかもしれない。
けれど。
けれど、そんなことはもう忘れてしまうほどに、遠い昔のことだった。
いや、そんなに昔ではないのかもしれないが、しかし、あの実験は。
あの実験は、少年一人の心を破壊しつくすには、あまりに最悪すぎた。

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