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656:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga　sage]
2011/04/26(火) 18:42:36.24 ID:9lQyZwIQ0

ブランケットとは何か。一方通行の股間を隠している布である。
ブランケットの下には何があるか。一方通行の未元物質とそれを握る芳川の手がある。
ブランケットを渡すとどうなるか。答えは死。現実は非常である。
ぐいっと、黄泉川がブランケットを引っ張る。
すんでのところで、一方通行がそれを阻止する。

「いやいやいやいや無理無理無理無理」

「…？　どうしたじゃんよ。そんなに寒がりだったか」

「あァ、うンそう。寒くて死ぬからすぐ死ぬから無理」

「固いこと言うなよ。一方通行は男の子だから平気じゃん」

「はァ？　俺女の子だし。本名鈴科百合子だし」

むしろ男の子だからダメなんです。
ダラダラダラと、冷汗が顔を伝う。
第一位の演算能力が全く役に立たない。
彼は能力を使うという選択肢すら考えられず、寒い寒いとうわごとのように繰り返すばかりであった。
哀れである。

「…何言ってんだ？　こうなったら本気で奪ってやるじゃんよ」

「はァアアアン！？　あァアアア！！？　うわああああ！！？？」

「愛穂。ブランケットならあっちにあるじゃない」

「あ、本当じゃんよ」

「今朝私が部屋から持ってきてずっとくるまってたやつだけどね」

「…ああそう」

黄泉川は手を離し、とてとてとブランケットを取りに行く。
一方通行は背もたれにぐったりと倒れこみ、大きくため息をつく。

「クソが…」

「…いや、本当焦ったわ。何アレ。あんな残酷な子に育てた覚えはないわ」

「クソ…ほンとクソだ…山盛りの、クソ…」

「…あなた大丈夫？　おかしくなっちゃった？」

当然、一方通行の一方通行はレベル５からレベル６にはなれず、レベル０にまで下がってしまった。
むしろトラウマを抱えてしまったのではないかという恐れすらある。

「やわこくなっちゃったわね。一方通行、手を出して」

「…あァ？」

ブランケットを、二人の胸のあたりまでかける芳川。
何かごそごそ動いた後、一方通行の手を自分の胸のあたりにまで持ってくる。
一方通行の手に、やわらかい、手にぴったりくる大きさの何かが当たる。

「どう？　触るのは初めて？」

「…あー…」

「自由にして頂戴。乱暴なのは、止めてほしいけれど」

「…」

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