過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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49:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/11(月) 21:48:27.55 ID:GAMgu6k0

「夜道は無用心だろう。そういう事なら、送っていこう」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きますわ」

槐さんの提案に素直に甘える形で、私は帰路につく事になった。

歩いて10分足らずの距離は、車で移動するにはあまりに短すぎた。
ラジオから流れる歌が終わるより早く、私は自宅のあるマンションの前に付いた。

「ありがとうございます」
「いや、君にはいつも世話になってるからな」

送って頂いたお礼を言っていると、後部座席の窓が開き薔薇水晶が小さく手を振ってきた。

「ええ、おやすみなさい、ばらしーちゃん」

私も小さく手を振り返す。
程なくして、車はエンジン音を鳴らして走り出し……やがて、そのテールランプも見えなくなった。

思えば、見送られることはあったが、見送ったのはこれが初めてだった。

無人島に一人置いていかれたような寂しさが、夜風と共に私を包み込んだ。

いつもなら、楽しい思い出を引きずりながら、歩いて帰っていた道。
胸の温もりを、夜風の冷たさに少しずつ慣らしながら帰っていた道。
それが今日は、いきなり冷たい海に放り出されたかのよう。

急に冷やされてしまった心では、孤独と哀しさは刺激が強すぎた。
 


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