過去ログ - 上条「なんだこのカード」その2
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35:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2010/10/06(水) 08:18:17.75 ID:CMYhbyMo
幻生「残念ながら、その服は君用じゃない」

いつの間にか後ろに立っていた老人が、そんなことを言った

幻生「そこに鏡の代わりになるものがある。自分を確認してみなさい」

言われるがままに、液体の詰まった透明な何かの前に立つ。光の関係でそれは、鏡とはいかないまでも、佐天の体の像を反射させるには十分だった

佐天「……ん?」

そこに写った姿は、裸の女。先程自分が見た少女の体とは、格段に発育レベルの進み具合が異なった、体

伸びた身長と、成長した豊満な胸。そして何よりも異なるのは、体の筋肉の成熟具合だった。腹筋は綺麗に割れ、腕や太腿は 太い

もちろん、脳は驚きの感情を吐いた。しかし驚きが顔に出ることも無く、彼女はそれをそのまま受け入れた

幻生「着ることは出来ないのは、明らかだろう?」

佐天「そう、ですね」

先程感じた違和感は、この声が原因だったのだろう。日頃使っている自分のものではない

幻生「それに、君にはその服は必要ないんだ」

佐天「どういう理由で?」

殆ど無表情で、佐天は聞き返した。不気味なしゃべる人形のようだ

幻生「……少し薬が強かったか。うるさいのも考えものだが、感情が無いというのは意思疎通に非効率性が出るな。改良するとしよう」

佐天「薬……?本当にあなたは他人の体を弄るのが好きなんですね」

幻生「そういう研究なのでね。当然だろう。さて、その服についてだが。基本的にその服は戦闘能力向上を目的に作ってはい るが、最大の役割はそこでは無いのだ」

幻生「君と同じ姿をした彼女らは、正確にはクローンでは無いのだ」

幻生「培養を繰り返して作る従来の方法は、時間というコストがかかり過ぎるという欠点が有った。それを解決したのがこの方法でね。いわばプレハブ式クローニングだ」

幻生「素体となる人間の体細胞から増やして作るのではなく、部分クローニングで体の各部パーツを並行して作るという方法だ」

幻生「こうすることで一人のクローニングに必要な時間は10分の1以下に抑えられた。その上、パーツのみを強化するという方法もとれる様になった。純粋培養のように遺伝子ベースのバランスを整える必要も薄まった」

幻生「ただ、欠点が一つ。急増した体は非常に脆い。その持ちを何とか伸ばしてやる必要が有った。崩壊を止めるため生まれたのがこのスーツだ」

幻生「異質物への抗原抗体反応を抑え、ホルモンバランスを整え、死亡時に異常なペースで放出される腐敗ガスを可燃材として焼却に利用する」

幻生「そしてこれが今の君に必要ないのは、君自身は成長後ベースとして作られた、純粋培養クローンだからだね。少し前の君は部分クローニングの試作型で非常に脆かった。来るのが2日遅かったら【君】という思念は永遠に消え去ってしまっただろうな」

佐天「成長後、ベース。アタシが、クローン。じゃあ、成長前の本来のアタシは……?」

幻生「部分クローニング、と言った。それでも見たいかい?」


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