853:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/02(水) 01:18:15.63 ID:QdSb/MA2P
(今から恐らく目の前の彼から詳細を伝えられるだろうが、ボストンに来て欲しい)
(これは、目的は分からないが帰国した姉上を祝いたいという、弟分の"希望"だ。つまり、あなたには選択権が有るということだ)
(あなたが何をしたから現状がこうなってしまったかとか、伝えたいことはたくさんあるのでね。私としては姉弟水入らずで、手を取って欲しいんだ)
(あなたの持つ上条当麻という存在を利用すれば、この現状についても効率よく解決できるのだから)
(上条当麻君、君にも恐らくこの声は聞こえているだろう。君の御父上は何やら暗躍しているようだけれど、君は私に協力してくれると期待している。協力の見返りに、全てが終わってからの刀夜氏への追及などは不問にすると約束しよう)
(……うん、最低限伝えるべきことはこんなところか。それでは、相見えることを期待していますよ、姉上)
ストーリーミング形式で送られた音声のデータが止まり、頭に響く声は無くなった
「こんな朝方に、しかも満足に休息も取っていない君に言うべき提案ではないのだろうが……」
丁度"声"が聞こえなくなったタイミングで、白衣の男が話しかけてくる
上条「……なんでしょうか」
大体、予想はついた
「あの場で無傷で生き残った君に、多分テレビやネットで知っているとは思うけど、例の未確認攻撃体迎撃部隊の連中が興味を持ったらしい」
「ボストンのMIT併設技術部門が君を今すぐ寄越せと言ってきたんだ。形式上は招致という形だが、承認しなければここの施設すら君には使わせないとまで言ってきてね。承知しなければ締め出しをすると言う事らしい。ショックを受けているところに、この仕打ちは無いと思う。酷いやり方だ」
「僕からも、君が偶々生き残っただけで何も知らないとは散々説明したんだが、聞いてはもらえなかった。本当にすまない」
本当に申し訳ない、という表情を浮かべて、50代程度の男が上条を見つめる
上条「気にしないで下さい。分かりました。俺、ボストンにいきますよ」
「……すまない。恐らくもう奴らは迎えを出しているだろうけど、それまではここで休んで構わない。表向きは鑑定ということにしておくから」
白衣の男は、シャッ、と小気味のいい音を立てて、診察室と何かの部屋をわけているカーテンを引いた
薄暗いその空間には、ベッドが一つ
「使うといい。僕はこっちの部屋で鑑定をしている振りでもしておく。あと、コレだ」
手渡されたのは、いわゆる栄養ドリンク。F1などにもチームを出している某巨大清涼飲料水会社の物である
「僕の愛用品でね。カフェインが入っているから、今直ぐじゃなく、移動中にでも飲むと良い」
ベッドの方に促しながら、男は言った
上条「……ありがとうございます」
と言って、ベッドそばで軽く頭を下げる上条を見て、男は頷き、カーテンを閉め、となりの診察室に座りキーボードで何かの作業を始める
暗がり+ベッド+男と二人きり、というどこかで経験したばかりの状況に、上条は善良といえる白衣の男に対して素直に感謝できず、猜疑心を抱いてしまったことが、申し訳なかった
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