899:are?[saga]
2011/02/12(土) 01:29:15.28 ID:hj2t/feYP
護衛と言う名の、ライフルを持った監視の兵が彼から離れたのは、その場所に辿り着いた後だった
先端機械の開発保持には、ハッキリ言って都市部は向いていない。広い空間が必要な上、清潔な水源が必要だったりと条件が整わないのだ
だが、人里離れるのは効率が悪い。それを解決する手段としての、人工的に掘削し固めた地下空間。完成品をそこに保持する程度であるならば、最初から人工的空間として作られている地下は、資金が非常にかかるという欠点を覗いて、機械的な環境調節はしやすい
故に、その場所は最先端研究機関としての大学の、地下に有った
そしてその場所について、彼は、深い意味では彼女たちは、知っていた。一時期、そこに鎮座していたのは自分で有ったのだから
小学校の体育館程度は有ろうかという縦幅・横幅・奥行きを備えた、金属の壁と床と天井で覆われたその部屋の中央に、半径10mは有ろうかというサイズで透明な円柱が有る
その円柱の中には丸みを帯びた台形が天井と床に置かれ、拳ほどの大きさもない青色の基盤が、台形によって上下両端から吊られている
「やあ、よく来てくれた。上条当麻君」
まるでアレイスターの根城を思わせる明るいとは言えない空間に入り、密閉式のスライドドアが閉まった途端に、気さくな声が広い空間に響き渡った
「もちろん、君の中の姉上達も。これでも少しは心配していたんだ。来てはくれないかもしれないと思ってね」
無感情なものではない、抑揚を付けた機械音声は非常に人間的に感じた
上条「殆ど強引に連れてきておいて、よく言うな」
対する彼は、彼女たちは、上条当麻を演じるしかなかった
「それでも、君の実力ならば、ここまで連れて来られる過程でいくらでも逃げ出す隙は有っただろう? 格闘能力的にも、特殊な能力的にも」
上条「俺を買い被りすぎだな。俺はそんなに」
「強くない、とでも? 君も知る青髪君達よりも幼い時から、上条刀夜の伝手で非合法特殊工作員=イリーガルとしての訓練を受けてきた君が言う事では無いね。 最後の適性試験では、一般人から刺されるなどが有ったが、それはパニックによるものだったようだしな」
上条「……」
「ああ、そう言えば、"前"の青髪君からの報告によると、記憶が無いのであったな。なるほど、それでは戦い方のイロハを忘れていても仕方ない。と言っても、鍛えられた反射神経や目、それに体は一般人のものとは比較にならないだろう。カミジョウトウマなりの、特殊な才能も有ることだし」
上条「"前"の青髪からの報告だと? "前"ってお前は何を言っている?」
「一応、イェスと言う名を自称しているんだが、まあ、お前、で構わない。そして、君には知らぬとは言わせないよ」
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