967:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/06(日) 06:09:01.46 ID:vvOyZR7QP
ロンドンのテムズ川沿いに、その男は立っていた
目的は決まっている。神の右席、アックア
もちろんここへ来たばかりの彼はアックアが何処にいるのかなど、知る訳も無い。今も本来ならば、アックアを探している途中であるはずだった
なぜ立ち止まっていたのかと言うと、彼は空で起きていた巨大な力と力のぶつかり合いを観察していた為である
テッラ「……情けないですねー。我らがローマ正教の放った天使達が簡単に叩き潰される光景と言うのは」
東から飛来する2m程の光の塊の群が、額に角を生やした60m程の大きな天使に、文字通り叩き潰され、食らわれている
それを見上げる彼は、生前に着ていた緑色の衣服を着込んでいて、分かる人間が見れば彼が左方のテッラであると分かるだろう
テッラ(しかし、新教皇がアレでは仕方が無いのかもしれませんねー)
少し大きく溜息を吐きながら、彼は安物のワインを口にする
テッラ(一方であの守護者は強大ですねー。まさに国家の守護天使と言ったところでしょう。単にイギリス清教におけるミカエルの要素だけでなく、イギリス国家という局所的で限定的な要素も掛け合わせたやり方は、広域で多様性のあるローマ正教では使えない方法ですからねー)
テッラ(まぁ、逆に言えば、成立要素が増えて複雑になったということですから、打ち破る手段自体は単純に増えたとも言えるのですが)
テッラ(おや、消えてしまいましたか。……ふむ、どうやら、バチカンの半ば木偶の坊と化しているミカエルよりは、融通が効くようですねー)
見る対象を失った彼は視点を地面へと戻した
そしてようやく、彼を取り囲む状況に彼自身が気付いた
既に周囲を騎士たちによって取り囲まれているという事に
当然のことである。彼の格好は派手なのだから。そんな人物が酒を片手に天をずっと見上げていれば、特に連日の事件で厳戒体制下のロンドンならばなおさら、もちろんただの変質者としても、人目に付かないわけが無い
「よくもノコノコともう一度現れたものだな。神の右席、左方のテッラ。しかも、身を隠そうとも偽ろうともしないとは。我々を舐めているのか?」
彼を取り囲む中、一人が一歩前に出て剣の切っ先をテッラの顔に向けて、言葉を投げつける
剣を持つ者、槍をもつ者、杖を持つ者、その他当人の術式に応じた物品霊装を持つ者
川を背に、テッラはその周りを完全に囲まれていた
テッラ(……私を相手にする為に出てきたにしては、少々戦力が低いですねー。特に教会系の人間が少ない)
テッラ(必要悪の教会と騎士団が一筋縄では無いということを考慮しても、これは少ない)
テッラ(ですが、見つけて下さいと言わんばかりに、こうして神の右席として本来の装飾で身を包み、川沿いの見晴らしの良い道筋を歩いてきた私からすれば、ようやく釣れたと言えますねー)
"釣れた" つまり、テッラはこの状況を望んでいたのだ。イギリスの騎士や魔術師に見付かる、という状況を
目的は、要求をする為
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