154:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/11/03(水) 17:19:22.76 ID:3lC6kdE0
ゴラオンから珠姫、なのは、リュウが出撃した頃、ドレイク軍のウィル・ウィプスでも似たような命令が出されていた。
ショット「それでは、私とトッドは先にアメリカへ向かいます」
ドレイク「うむ、任せたぞ」
トッド「はっ!」
トッド・ギネスとショット・ウェポンの二人がブリッジから出て行くのを、軍団長バーン・バニングスは苦い顔で見ていた。
バーン「ドレイク様、二人だけで行かせてよかったのでしょうか?」
ドレイク「我らの中から行っても、話しが通じない可能性はあるだろう。余計に混乱させるだけかもしれん」
バーンは、その言い回しがまるきりショットの弁であることを知っていたため、心中で舌打ちした。それは、ドレイクが今ショット以外に頼りに出来るものがいないという現われでもあったからだ。
バーン「ドレイク様! お言葉ではありますが、ドレイク様はショット・ウェポンを信頼しすぎであります。彼の者は元はといえばこの地上の男! それを我らバイストン・ウェルが呼び寄せた末にドレイク様に忠誠を誓ったに過ぎませぬ!」
ドレイク「バーン・バニングスよ」
バーン「は、はっ!」
ドレイクの声調が重くなるのは、叱責を受けるときである。バイストン・ウェルに地上人が召喚されるようになってから、何度バーンはドレイクのこの低い声を聞き、肝を冷やしたことだろうか。
ドレイク「ならば貴様が地上の軍との交渉を行えるというのか?」
バーン「……っ!」
バーンは答えることができなかった。彼はバイストン・ウェルいちの戦士であるが、珠姫、紀梨乃といったオーラ力に優れた地上の聖戦士との戦いに幾度も敗れているため、ドレイクの信頼は失墜し、反比例するようにショットやトッドの権威は上昇していた。
ドレイク「バーン、貴様を行かせなかったのにはもちろん理由はある」
バーン「はっ、なんでございましょうか?」
ドレイク「ゴラオンの軍勢が我らを追ってきたとき、貴様にはこのウィル・ウィプスを守ってもらわなくてはならぬ。失敗続きとはいえ、我が兵はまだ貴様に付き従おうとしている。これはショットにもトッドにもないものだ」
バーン「ははっ、ありがたきお言葉であります」
ドレイク「貴様は我が軍の軍団長だ。まずはそのことを自覚せよ」
バーン「ははぁっ! かしこまりました!」
その会話を聞いていた女士官のミュージィ・ポゥはあらためてバーン・バニングスを単純な男だと思った。そして次の瞬間には、出撃したショット・ウェポンの身の上を案じていた。
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