427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/27(木) 16:36:51.51 ID:yzZtb6Ov0
コップの一杯の水に貨幣を出して、ちまちまと呑んでいると、にわかに外が騒がしくなっていた。
ラル「こう熱いとさすがにかなわんな。おい、親父! 水をくれ! うまいやつをだ!」
突然の来客に店主が返事をする間もなく、次々と兵隊が入ってきた。
シノ(あ、あれはジオン兵……)
ラル「親父、13人だ。すまんな、サグレ、マイル、見張りだ。交代は急がせる」
サグレド「は、ランバ・ラル大尉」
シノ(ランバ・ラル……大尉ということは、エース級か)
ラル「すまんな、ハモン。砂漠はきつかろう」
ハモン「自然の脅威です。星を見ているよりはずっと面白い」
ラル「ハハハハッ。みんな、座れ座れ、何を食ってもいいぞ。作戦前の最後の食事だ」
店主「あの、ここは中立地帯でございますので、戦争は……」
ラル「他でやる。心配するな」
ハモン「何もないのね。できる物を14人分ね」
店主「か、かしこまりました」
ラル「ン……? 一人多いぞ、ハモン」
ハモン「あの子にも」
そう言って、ハモンが指したのはカウンターの端で耳をそば立たせていた少女だった。
シノ「わ、私……ですか?」
ラル「あんな娘がほしいのか、ハモン」
ハモン「フフ、そうね」
シノ「あ、あの……」
立ち上がってシノはハモンと呼ばれる貴婦人の前に立った。
美しい女性で、とても砂漠の酒屋には似つかわしくないが、纏っている雰囲気は潔癖な軍人のそれである。
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