638:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/27(日) 17:34:58.79 ID:xzchfqAl0
第十一話
中国 重慶基地郊外の上空
連邦軍の戦艦、ホワイトベースに巨大な鳥が降りた。
全長にして50メートルにもなる巨鳥の正体は、ライディーンが変形したゴッドバードだ。
ゆりえ「一橋ゆりえ、到着しましたー」
不慣れな敬礼は戦艦にあって似合わないものだが、格納庫まで出迎えた司令官は誠実に姿勢を正した。
シノン「ご協力感謝します。これより、ホワイトベース艦長代理、香月シノン少尉がゆりえさんの身を預からせていただきます」
ゆりえ「よろしくお願いします」
立夏「ヤッター、ゆりえちゃん来るの待ってたんダヨー!」
ゆりえ「わっ、わわわっ」
立夏「ホラホラ、リッカが案内してあげるヨー」
霙「召集がかかったら、早く戻ってくるんだぞ」
立夏「りょうかーいッチャオ」
ツインテールと一緒にぴょんぴょん飛び跳ねる立夏が、あっという間にゆりえを連れて行ってしまった。
それを遠目に見ながら、ヒカルがやれやれといった風に苦笑する。
ヒカル「久しぶりに年が近い相手だからな、立夏もはしゃいでる」
スズ「一橋さんのほうが一応、一個上なんだけどね」
霙「ゲッターチームの三人にも来てほしかったんだが、早乙女研究所で機体の調整があるらしいからな」
シノン「ともかく、これで海晴中尉とシノさんが抜けた穴はカバーできると思います」
アリア「だけど、シノちゃんは大丈夫かしら……長門さんを連れているとはいえ、敵の基地の中なんて……」
現在、天使海晴と天草シノは捕虜の長門有希を連れて、ギガノス軍に捕らえられているマチルダ・アジャン中尉との交換に向かっていた。
シノン「基地の中に入るわけではないから、何かあったとしたら私たちにもわかるわ」
スズ「何かあってからじゃ遅いと思いますけど」
ヒカル「しかし、彼女たちは罠を張るような人間には思えないが。長門さんは私たちに助けを求めてきたのだから」
スズ「はぁ……ヒカルはもう少し周りを疑うことを知ったほうがいいわね」
ヒカル「どういうことだ、スズ?」
霙「ギガノス帝国にはドルチェノフという好戦的な指揮官がいる。そして蒼き鷹の涼宮ハルヒは今、そいつの直属になっている」
シノン「下士官パイロット一人と補給船指揮の中尉では捕虜交換のうまみがギガノス側にはないわ。なのにそれをあちら側から提案してきたということは、この交換は彼女の独断である可能性が高い」
霙「当然、ドルチェノフがそんなことを容認するつもりはない。女性士官<ウェーブ>の捕虜は政治交渉のカードにも利用できるからな」
スズ「つまり、何かしらの妨害行為が予想されるということよ」
ヒカル「そ、そうなのか……」
霙「まあ、ヒカルは自分を鍛えること以外にすることがない脳筋だからな。そこまで考えが至らんだろうさ」
ヒカル「み、霙姉!? そんなひどい!」
霙「ははは、せめて材料工学の基礎くらいは身につけてほしいものだな」
ヒカル「う、うぅ……はい」
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