684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/03/06(日) 18:14:25.90 ID:vFt0CWIc0
ゴラオンの一室
先の戦闘でオーラ力を爆発させた珠姫は、起き上がりはするものの体力は明らかに落ちていた。
今も寝台に半臥した状態でチャムが上げてくれるスプーンで食事を摂っている。
チャム「タマキ、まだ指が開かないの……?」
珠姫「そうだね……まるで指だけが別の人のものみたい」
トッド・ギネスに突きを入れた後の珠姫の指は、ダンバインの操縦桿を握った形のまま解けなくなっていた。
それは珠姫の意思だけの現象ではなく、チャムが指を持って引いても押しても、関節はぴくりとも動かないのだ。
珠姫「これもオーラ力が強くなったせいなのかな?」
チャム「でも、オーラ力が高まっているときのタマキは、なんだかタマキじゃないみたいで恐いよ」
珠姫「うん……わかるよ。私も恐い……自分が変わっていくのがわかるんだ……」
紀梨乃「タッマちゃーん、やっほー!」
部屋の扉が乱暴に開かれていつでも明るい紀梨乃が入ってきた。
びっくりしてチャムはスプーンを落としてしまった。
チャム「きゃぁっ、こぼしちゃった! もう、キリノったらぁ〜!」
紀梨乃「ややや、ごめんごめんご。タマちゃんはじっとしてていいからね〜」
珠姫「はい、じっとしてます」
チャム「あれ? キリノ、その花……?」
こぼれたご飯を拭き取る紀梨乃は左手に数輪の花を持っていた。
紀梨乃「これ? 来る途中に生けてあったからもらってきちゃった。キレイっしょ、タマちゃん?」
珠姫「はい、ありがとうございます」
チャム「でも、キリノ……その花って……」
紀梨乃「そう、これバイストン・ウェルの花なんだよね〜、こっちに来てもまだ咲いてるのも不思議だよね〜」
チャム「その花って、バイストン・ウェルで『結婚の花』って言って、それを誰かに渡すのは『結婚してください』って意味なのよ?」
紀梨乃「へ……?」
珠姫「…………」
部屋の中に気まずい空気が流れる。
珠姫「ごめんなさい」
紀梨乃「い、いいのよいいのよ、タマちゃん! 気にしちゃダメダメよ〜」
チャム「ふーん、地上って女の子同士でも結婚できるのね」
紀梨乃・珠姫「…………」
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