701:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/03/06(日) 18:47:53.34 ID:vFt0CWIc0
こんなところにも落ちていたのか――急いでレイジングハートをシーリングモードに変形させる。
なのは「いくよ、レイジングハート!」
レイジングハート「Yes.Flier fin」
まだ発動する前である。
それならば、直接触れて回収したほうがいい。
なのは「アリサちゃん、すずかちゃん、ごめんね、行かなくちゃ!」
アリサ「うん、わかってるからさっさと行ってきなさい!」
すずか「気をつけてね、なのはちゃん」
まだリュウのコア・ファイターは燻ぶっている。
ジュエルシードは願いを叶えてくれるが、死者を蘇らせてはくれない。
魔法は万能ではないのだ。
なのに、ジュエルシードのような過去の遺失物というものは人間が神だの悪魔だのを目指して造ったものだから、なまじ願望を叶えようとして力を与えてしまう。
いつでも、力を求める人間はいる。
レイジングハート「caution.above」
なのは「え――ッ!?」
進路に捉えたジュエルシードよりも更に上に、もう一人の少女がいた。
レイジングハート「A magic reaction」
なのは「魔力!?」
陽光の下で目の覚めるような輝きを反射させている金色の髪の少女は手に同じく金色のコアを持つ斧を持っていた。
「いくよ、アルフ」
その少女が何かを呟いたのをなのはが遠目で気付いたとき、白い袖が左右で引っ張られた。
なのは「な、なに!?」
動揺している間に両足首も引っ張られ、まるで磔にされたみたいになのはの体は動かなくなってしまった。
唯一動かせる首をめいっぱい回すと、両手足に赤い鎖のようなものが巻きついていた。
なのは「なんなの、これ!? レイジングハート?」
レイジングハート「Chain bind.This is a magic chain」
なのは「チェ、チェイン・バインド?」
「そうさ、魔法の鎖さ。かかったら最後、すぐに脱出はできないよ」
レイジングハートの分析に親切な解説をいれたのは、なのはの背後に現れた女だった。
背が高く、肉付きのいい体をショートパンツに大胆なバストアップのベストにマントを羽織った娘だが、橙色の髪から犬のような耳が生えているのが、なのはの目に残った。
なのは「あ、あなたは……どちら様ですか!?」
「悪いけど、教えてあげる義理はないねぇ。ま、大人しくしていてくれたら、見逃してあげないこともないけど」
金髪の少女が黒い斧の先に魔力を集めてジュエルシードを近づいていく。
雷光の煌めきの如く美しく力強い――そして同時に儚さも感じ取れる魔力光だ。
「――Seeling mode get set」
なのは「ジュエルシードを封印!? どうするの! あれはとっても危険なものなんです!」
「さっきも言っただろう。教える義理はないって。おいたがすぎるとガブッ! っと言っちゃうわよ」
犬歯にしては長すぎる輝きがなのはの真横で音を鳴らした。
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