過去ログ - 唯「まじーん、ごー!」
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765:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[saga]
2011/03/29(火) 20:34:21.08 ID:H14cuRFu0

 美緒は一歩も動いていないのに、くっ、と模擬刀が揺れるだけで珠姫は背中に冷や汗を溜めた。

珠姫「……っ!」

 顔を引きつらせる珠姫に鋭い叱責が飛ぶ。

美緒「集中しろ! 攻撃には必ず気配がある。それを探るんだ」

珠姫「くっ……」

 一度大きく息を吸い込み、珠姫は気を吐いた。

珠姫「キヤァァァァァァァァァァァァッ!!」

美緒「ほぉ、良い気炎だ」

珠姫(落ち着いた……私にはオーラ力がある。坂本少尉の気配をオーラ力で観るんだ……)

 意識を澄ませて自分のオーラ力を制御していく。

珠姫(私の……オーラ力……)

 拡大していくオーラ力を自分の内に鎮めていく。自分の目がずっと落ち着いていくのが実感できる。

美緒「はぁっ!」

 気が充実していくのを待って美緒は模造刀を右肩に振り下ろす。

珠姫「ふっ――!」

 パシィンッ! 傍から見ていたシノやヒカルの目にも映らぬ速度で、模造刀と竹刀が打ち合った。

美緒「さすがは高名な川添先生のお孫さんだ。先ほどまでまるで乱れていた気が淀みを静めている」

珠姫「私は……自分のオーラ力を暴走させません。そう決めましたから」

美緒「フッ……次は本気で掛かるとしようか?」

 ニヤリと笑んでから、美緒は刀を引いて鞘に戻した。

美緒「さぁ、次は誰がやる?」

シノ「……」

ヒカル「……」

なのは「……」

 三人は綺麗に揃って首を横に振った。



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