32:>>1にかわりましてカキネがお送りします
2010/10/31(日) 16:42:03.39 ID:2J6dQus0
黒妻「なぁ……狂人非道言うが、アンタらの研究は誰かの為になって無いのか?」
テレス「わかんないわ。でも犠牲の方が多くて、恨まれ事の方がデカいのよ」クスッ
黒妻「悔いてんの?」
テレス「犠牲を? さぁ、どうかしらね……」
暫く空を見て、ふと語り出した。
木原の力は『人』の為ではなく、『科学』の為だという。成程、科学者(人)が科学に操られてる。本末転倒だ。
テレス「ま、深くは考えないようにしてるわ。今更私に出来る事があるとも思えないし。病院の地下でひっそりくたばる事にしようかしらね」
黒妻「……ふん」フゥ・・・
テレス「誰かの為でなく、自分の為に生きてきた人間ってのは悲しいわねー」カツカツ・・・
黒妻「『あの子』の為は?」
テレス「……無理よ。互いに嫌ってるもの。あの子からしてみたら、本当は私を殺したい程憎んでるのよ?」
黒妻「そうは見えないが」チラッ
無邪気に微笑む那由他ちゃんを見遣った。
テレス「私がやった実験の犠牲者に、あの子の友達が居たのよ」
黒妻「……ほう」
テレス「私は謝らないし、あの子もそれを要求しない。一生膠着状態ね」
黒妻「小せえ女」フンッ・・・
テレス「そうね。私は所詮小物よ」フフフ・・・
時計を見る。もう正午過ぎ……先ほどから見上げる空色は灰色。今にも雨が降り出しそうだった。
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