過去ログ - 美琴「私に勝てると思ったのか!?あぁ、第四位さんよぉ!?」
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48:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/11/09(火) 18:50:35.43 ID:LsO5uGEo

 幕間二

 麦野沈利が対象物の破壊実験を行った時、能力の暴走によって三人が目の前で吹き飛ばされ、一人が首を刎ねられ、一人は左腕を残して蒸発した。

 彼女がその時使用させられていた薬物は、意識を集中するためのもので、能力が暴走しながらも、自らが人を殺めていく様は、はっきりと彼女の目に映り込んでいた。
 当時の彼女の精神を揺り動かしたことは想像に難くない。
 幸か不幸か、その力を重くみた政府は、学園都市側からの働き掛けも受けて、超法規的措置として、その事件を不問とし、彼女に何ら不都合なことは起こらなかった。

 彼女はそれまでの間、特に『挫折』というものを経験していなかったし、それからもほとんど経験していない。
 この経験も、『挫折』という経験とはいくばくか違う物なのであったが、彼女はこれを『挫折』と捉えた。

 人の命とは呆気ないものであり、全ては天運が左右してしまうのだと。
 全てが順調に続いていたからこそ、強くそう思った。
 彼女はその圧倒的な能や生まれの財を使い尽くして、さらなる上の何かを掴むだけの才はなかったが、その脳や財を使い果たして、破滅していくほど愚かでもなかった。
 それゆえ、麦野沈利と言う女性は、常に自らを一定までは律してはいても、それ以上の事はしなかったのである。


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