659:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:21:39.19 ID:1/mKrnEAO
いちご「あなた……一体……」
唯「誰なんですか、何て言わせねーぜ? お前が私を欲しがったように、私もお前に会いたかったんだからな」
彼女は素足のまま血溜まりを通り、律達が倒れている箇所の丁度中心部分に立ち尽くした。
660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:22:17.60 ID:1/mKrnEAO
いちご「彼女の周囲に一億の槍を展開、軌道は追尾、対象の命尽きるまで追いなさい!」
言霊と共に現れる未元物質の槍、その数は一億。
鉄が彼女の視界を覆った。
661:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:22:50.86 ID:1/mKrnEAO
彼女は血に塗れた手で頭を掻く。
そして何か思い出したように両手を合わせるとあはっ、と笑ってみせた。
唯「うんたんパワー注入! なーんつって」
662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:23:21.53 ID:1/mKrnEAO
唯「おーおー目が覚めたかい? 初めましてだねぇりっちゃん」
腰を下ろし、律の顎を持ち上げると彼女はずいっ、と顔を寄せた。
律「唯? 唯なのか……?」
663:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:23:52.40 ID:1/mKrnEAO
紬「つっ……」
遅れて紬、そして他の者も顔を上げた。
皆状況の理解に苦しんでいるのか、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
664:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:24:30.76 ID:1/mKrnEAO
紬「何処かの誰かさん……?」
彼女は近い内にまた会うだろうと言っていたが、紬はまさかこんなに早く見える事になるとは思わなかった。
かつてあの全てを混ぜ合わせたような空間で斎藤の心を折った者が此所に居る。
考えなくとも紬は本能で察知した。
665:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:25:06.51 ID:1/mKrnEAO
唯「だったら勝手にやらせて貰うぜ。他の誰が望んでなくても、唯は望んでるんだからな」
唯の身体を纏うように紫電が現れた。
赤、青、黄、緑、その四色の闘気のどれにも属さない殺意の波動が空間を駆け巡る。
666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:25:35.83 ID:1/mKrnEAO
見えない鎖がいちごを縛り付ける。
偉大なる名前を紡ぐ事すら適わない。
動け────。
動け──。
動け!
667:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:26:13.09 ID:1/mKrnEAO
いちご「ひっ──ぎっ──!?」
意識を手放す事は許されない。
焼かれた身体は時間を遡るように修復され、再び焼かれる。
いちごは絶える事の無い苦痛のループに叩き落とされた。
668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/12(土) 01:26:43.81 ID:1/mKrnEAO
そして恐怖に恐怖を重ねて萎縮した感覚が麻痺している事に気付く。
今ならやれる。
偉大なる名前を以て龍に一泡吹かせられる。
いちご「……私と龍の位置を変換、此所を水で満たした後に液体を硫酸に転換」
1002Res/468.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。