過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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158:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/05(日) 20:05:03.33 ID:5fY6JHw0
己の愚行を思い出して、一方通行は恐怖する。
ロシアで番外個体と対峙した時よりも恐ろしい、逃げ出してしまいたくなるような。
彼が一番恐れていたことは、番外個体との関係が崩壊してしまうことだった。
一方通行を精神的にボロボロにした番外個体と、番外個体を肉体的に破壊した一方通行。
本来なら憎しみあって、未来永劫分分かち合うなんて出来ないような二人が、それでも一つ屋根の下で一緒に暮らして築き上げてきた『何か』。
世間一般では絆などと称されるそれを、今更断ち切られてしまうことが、何よりも恐ろしくて、不安でならない。
早朝の静けさの中で、天井を仰ぐ。
後悔と後ろめたさに押しつぶされそうになりながら、呟いた。
例え、番外個体との関係が崩壊して、彼女が自分の前から姿を消したとしても。
「……馬鹿が。自業自得だろォが」
やるせない表情でちらりと横を見やると、視界の端に散々踏みつけられてひしゃげてしまった雑誌が映る。
昨夜一方通行を苛立たせた表紙の見出しが、何故だか今日はとてもおかしくて堪らない。
一方通行は自嘲的に唇の端を歪ませて、理解する。
あァそォか。
「俺は、俺には、」
番外個体が必要なンだよ、ちくしょうが。
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