過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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159:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/05(日) 20:05:59.20 ID:5fY6JHw0
「……だるい」
一方通行がニュースを見つつ缶コーヒーを飲んでいると、番外個体が起きてきた。
のろのろと歩いてきて、テレビ近くの定位置に座り、テーブルに突っ伏す。
朝に弱い番外個体のいつもの行動だった。
起きるなり事態を悟った番外個体に叫ばれて殴る蹴る罵倒の嵐かと考えていた一方通行は、予想外の事態に戸惑う。
「……、」
ぐだーっとしている番外個体に何と声を掛けて良いのか分からず、少しの間彼女を見ていると、
「…………ミサカは、初めてだったのに」
不意に彼女が口を開いた。
一方通行の体温が一瞬にして奪われて、胸が早鐘を打つ。
「……初めては、好きな人とって決めてたのに。このミサカがそんなこと言っても笑われるだけかもしれないけど」
番外個体が矢継ぎ早に言葉を放つ。
「そこまで最低なクズ野郎だと思ってなかったし、正直、……信頼は、してたんだけどね」
言葉一つで正確に一方通行の胸をえぐってくる。
「……結局あなたは、何も変わっていない」
顔を上げた番外個体は、うっすらと瞳を濡らして、鋭い眼光で一方通行を真っ直ぐ睨んでいた。
そして、静かに静かに、低い声で呪うように。
――妹達を惨殺してた時から何ひとつ。
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