過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
1- 20
365: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:35:44.63 ID:FDyGJ6A0

『こんなふう』とは、どんなふうなのか。
番外個体はそれ以上のことを明かさないまま、ただ一言。もう一度。


「……ごめんね」


何も悪いことなどしていない筈なのに。


「……なンだよ、オマエは、俺が、」


何を言うべきなのか。何が言いたいのか。曖昧に、単語だけが文にならないまま。


「あなたは、何も悪くない」


それはオマエの方だろう


「……ごめ、ん」


一方通行の言いたいことは声にならなくて、だから伝わらない。
番外個体は震える声で尚も謝りながら、その場にしゃがみ込んでしまう。
抱えた膝に表情は隠れて、そして身体は小刻みに震えている。


「番外個体!」

「……ミサカ、の、同居人って言えば、分かってもらえるかな。だから、ごめん、ケーキ取ってきて、もらえるかな?」

「構わねェけど、オマエ大丈夫なのかよ!?」


彼女の異変を案じて声を大きくする一方通行だが、番外個体は彼とは対照的に、


「大丈夫。ミサカは、大丈夫だから」


大丈夫なわけがないのに、穏やかな声を努めようと。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/580.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice