過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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365:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:35:44.63 ID:FDyGJ6A0
『こんなふう』とは、どんなふうなのか。
番外個体はそれ以上のことを明かさないまま、ただ一言。もう一度。
「……ごめんね」
何も悪いことなどしていない筈なのに。
「……なンだよ、オマエは、俺が、」
何を言うべきなのか。何が言いたいのか。曖昧に、単語だけが文にならないまま。
「あなたは、何も悪くない」
それはオマエの方だろう
「……ごめ、ん」
一方通行の言いたいことは声にならなくて、だから伝わらない。
番外個体は震える声で尚も謝りながら、その場にしゃがみ込んでしまう。
抱えた膝に表情は隠れて、そして身体は小刻みに震えている。
「番外個体!」
「……ミサカ、の、同居人って言えば、分かってもらえるかな。だから、ごめん、ケーキ取ってきて、もらえるかな?」
「構わねェけど、オマエ大丈夫なのかよ!?」
彼女の異変を案じて声を大きくする一方通行だが、番外個体は彼とは対照的に、
「大丈夫。ミサカは、大丈夫だから」
大丈夫なわけがないのに、穏やかな声を努めようと。
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