過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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368:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 20:42:02.25 ID:FDyGJ6A0
「で? それは褒め言葉として受け取っても良いンだよなァ? つーか目障りだから早く消えてくンねェか」
「……こんな風に常識のない乱暴そうな人だったらクローンなんて気にしないでしょうしね、所詮彼女の身体目当てとかでしょう?」
普通そうでもないと気味が悪い、と男は続ける。
一方通行が何も言わないからか、調子に乗ってペラペラと。
彼が静かに、クローンなんて、という言葉に憤りを感じていて、それでいて敢えて男の話を止めないでいる事に気付かずに。
「僕はクローンなんてまっぴらごめんですけど、あなたみたいな人にはそんな常識関係ないんでしょうね。
あ、安心してください。彼女のことを他に公言するつもりはないですから。だってそんなことが広まったらこのお店潰れちゃいますし」
クローンは世間からはなかなか受け入れられない。
家畜のクローンでさえあまり良く思われていないのだ。ましてや国際法に抵触するようなヒトのクローンがすんなり受け入れる筈がない。
そのことは重重承知している。
しかも、番外個体のような『妹達』は寿命も一般に比べて短いらしいし、それを改善する為には定期的に検査や治療を受ける必要がある。
オマケにミサカネットワークなどというトンデモ機能も備わっていて、そんな彼女達を拒むのは普通の反応といっても過言ではないかもしれない。
だから、その男の言うことは、
「クローンなんかと一緒に暮らすあなたもクローン同様、人間じゃないみたいだ」
大して特別なことなどでなく、『人間らしい』どろどろとした、当たり前の――
「普通の人間だったら、クロ――がぁッ!?」
それを理解していて、そうだそれは間違った反応ではないことも否定できない。
しかし、一方通行の理性を失った身体は学園都市第一位の頭脳とも言われるアタマより先に動いていた。
ぐしゃり。
生々しい音と感触が一方通行の拳をとらえる。
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