過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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374: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:00:24.40 ID:FDyGJ6A0

いじけたように反対側を向いてしまう番外個体。
ガキじゃないんだからと一方通行は溜息をつく。

以下略



375: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:02:35.73 ID:FDyGJ6A0

番外個体の頭を冷やすために薄手のタオルを冷水で濡らす。

右手の血は既に止まっていたが、水に酷く染みて、思わず手を引いてしまった。
しかも衣服も汚れてしまったし、もしかすると番外個体の服も汚してしまったかもしれない。
以下略



376: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:04:53.16 ID:FDyGJ6A0

『――特に変わったことはない、風邪の症状なんだろう?』

「あァ、少し前からそれっぽかったらしいし、一応脳内の電気信号を確認してみたがウィルスとかでもねェと思う」
以下略



377: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:07:47.95 ID:FDyGJ6A0

家に帰ると、番外個体は毛布にくるまって眠っていた。
額にのせたタオルは既に存在意義を失ってぬるくなっていて、番外個体の額に手をあててみると、依然として熱いままだ。

折角冷却シートを買ってきたのでそれを貼らせようかと思ったが、起こすのは何となく気が引けて、夕食時まで番外個体をそのまま寝かせることにした。
以下略



378: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:13:43.68 ID:FDyGJ6A0

熱があると悪夢をみる、というのはよくあるが、今日の番外個体はまさしくそれだった。
気持ちが悪くて、後味の良くない夢。以前コンビニで興味本位で立ち読みしたホラーコミックと似たような内容だった。
それに続いて、今度は見知らぬ男に思い切り刺し殺されそうに――なる直前で、はっと目が覚めた。
以下略



379: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:17:28.36 ID:FDyGJ6A0

鍋でお粥を煮ていると、番外個体が風呂から上がったらしい。バタンと浴室の扉を閉める音がした。

いつもは着替えて髪も乾かさずにリビングにやってくる彼女だが、今日は一方通行の言いつけをしっかり守っているようでドライヤーの音が聞こえてくる。
いつもこうすれば毎朝寝癖で悩まなくても良いのではないかと思うのだが、どうやらクセのつきやすい髪質らしい。
以下略



380: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:19:04.60 ID:FDyGJ6A0

結局番外個体はゼリーを食べると機嫌を直してくれた。
何だかんだ言いつつ、お粥も塩で味を調節しながら完食。……したのだが。

以下略



381: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:21:17.69 ID:FDyGJ6A0

くすり、と番外個体が小さく笑う声が暗闇の中で漏れる。
何が可笑しいのか、楽しそうに。

以下略



382: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:23:34.61 ID:FDyGJ6A0

「嬉しいって、いうのかなぁ。ミサカそこら辺は専門外だけどさ。
 ミサカの為にあなたがこうして、怒ってくれる。だけど、それであなたが傷ついちゃったらだめなんだ。……それ、痛かったでしょ?」

以下略



383: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/26(日) 21:26:06.31 ID:FDyGJ6A0


番外個体はしばらくの間、そうしてじっと瞳を閉じていた。

窓から差し込む微かな灯りで僅かに浮き彫りになったその顔は穏やかで、ただ額の冷却シートがやっぱり間抜けだ。
以下略



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