過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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477:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/07(金) 22:09:36.31 ID:Q2CJXww0
「えェと今日は俺の演算パターンを教えっからそれをいかに応用するかっつーのが、」
「やっぱり第一位さんだったんですかぁ!?」
拍手で迎え入れられた一方通行を遮ったのは、飴玉を転がすような甘ったるい声だった。
静かだった体育館がざわざわとどよめく。
声をした方を見ると、一年生がお行儀良く座る中、その声の主だけは立ち上がって驚愕の表情を浮かべていた。
黒いショートヘアの小柄な少女。
頭に載せた花の髪飾りが特徴的で、同じような頭がずらーっと並んでいる中では少し異様だ。
そんな彼女の周りから笑いが漏れる。
やがてそれは全校に広がっていって、立っていた少女はステージの上からでも分かるくらい顔を真っ赤にして座った。
周りの生徒から頭や背中を撫でられながら声を掛けられているところを見ると、可愛がられているのかもしれない。
そして、一方通行にはその奇抜な少女に見覚えがあった。
数字にコンプレックスを抱いていた学園都市の第二位に足蹴にされて、それでも小さなアホ毛の少女を守ろうとした風紀委員。
そういえばその第二位、噂では工場のように『未元物質』を吐き出すだけの塊になっているとかいないとか。
(あの時の花畑か……めんどくさそォなヤツだな)
スルースルー、と講演会を再開。
何となくあの少女は苦手というか、多分自分とは違う種類の人間なのだと思う。
若干空気の和んだ体育館で、講演会は滞りなく進んでいく。
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