過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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53: ◆3vMMlAilaQ
2010/11/26(金) 22:46:56.05 ID:LW2CtNo0
とりあえず番外個体から浴びせられたモノをティッシュで拭き取る一方通行。
番外個体はそんな一方通行を横目に見てニヤニヤと笑いながら、彼の携帯を勝手に開いた。

同じ機種を使っているわけでもないのに器用に操作すると、自分が送った画像を一方通行に見せつける。


「この猫、可愛くない? 駅前で見つけたんだけどさ、三毛猫っていうの、ミサカ初めて見たよ」

「あっそォですかァ。つーかオマエ自分で拭けっつの」

「反応悪いなぁつまんにゃーい。しかもさ、この飼い主。白いシスターだった。
 ミサカコスプレしてる人も初めてだったよ、いるんだねぇあんな痛いの」


白いシスター、という単語を聞いて、一方通行の動作が一瞬止まる。
修道服の少女と三毛猫。
そうだ、いつか飯を奢らせられたクソガキだったと思い出す。


「にしてもこのミサカ、どうも猫アレルギーらしいんだよね。ミサカ猫好きなのに。
 さっきまで鼻水ぐしゅぐしゅの涙ボロボロで参っちゃったよ。ねぇ、これってあなたの能力でなんとかなったりしない?」

「多分、つーか絶対無理だろォな」

「こうさ、アレルゲンのベクトル操作とかしてさ。……けけっ、所詮第一位っつってもその程度ってことかぁ」


いちいち癇に障る野郎だと思いつつ、拭き終えたティッシュを丸めて電極のスイッチをスライドさせる。

能力使用モード。
以前は自由にこの能力を操って『妹達』を殺戮していたというのに、今となっては一々立ち上がる手間を省くお役立ち要素満載の便利道具になっている。
しかもその『妹達』の一人で、彼女たちの刺客でもあった番外個体と同棲とは一体どこをどう間違ったのか。


ふとそんなことが頭に浮かんで、一方通行は微かに自嘲的な笑みを浮かべる。


丸まったティッシュを軽く放り投げてやると、綺麗な軌道を描いてゴミ箱に入った。
そのことを確認して、再びスイッチをスライドさせる。


「うわー能力をそんな無駄な所で使うなんて、ミサカへの当て付けか何か?」


顔をしかめる番外個体を見て、そォいえばコイツも当初に比べて随分と丸くなったな、と思った。


「さァ? 何のことだかわっかンねェなァ。つーか何でオマエ今日はそンなにテンション高ェンだよ。
 人様の猫の写真撮ってきたりよォ」


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