過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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54:1 ◆3vMMlAilaQ
2010/11/26(金) 23:02:09.74 ID:LW2CtNo0
「まぁ猫は元から好きだったし。ていうか、そう。そのこと。
あなたに報告しなきゃいけないことがあるってことすっかり忘れてたよ」
番外個体の声が上擦る。
顔には普段、人を罵ったり、悪意丸出しの態度をとったり(それからくしゃみを人にかけたり)してくることが多い彼女からは想像しにくいような純粋な笑みを浮かべて。
……一方通行は聞きたくない。
何となく分かってしまう。彼女がどんなことを伝えたいのか。
何故、彼女はこんなに上機嫌に帰ってきて、
何故、彼女は昨日とは比べものにならないくらい明るく話すのか。
「ミサカ、明日あの人と一緒に出かけることになったんだ」
番外個体は一方通行を真っ直ぐ見据えて、
「ミサカはこれがチャンスだと思ってる。だから明日、
――思いを、伝えてくるよ」
一方通行が今、何を思い、何を感じているのか知らないまま。
そして番外個体からの視線を受け止めることができないでいることでさえ気付かずに。
無邪気に、残酷に。
一方通行の心臓を、不可解な痛みが締め付ける。
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