過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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55:1 ◆3vMMlAilaQ
2010/11/26(金) 23:04:16.35 ID:LW2CtNo0
相談に乗るなんてらしくないこと、しなければ良かったとさえ思った。
もし、最初の頃に諦めてしまえとそう言っていれば。
もし、以前彼女が諦める、と言い出したときに励ましてなどいなかったら。
ドロドロとした思いが頭の中で渦を巻く。
恐ろしく不快で、理由の分からないこの感情のコントロールを操作する術を一方通行は知らない。
原因不明の胸の痛みと、この感情が何であるかすら分からない。理解ができない。
――隠していたからか。
今に始まったわけではないこの痛みを、感情を。
――嘘で塗り固めていたからか。
(隠すだの嘘だの、違ェ、そンなンじゃねェ。ともかく――)
最悪だ、と思った。馬鹿馬鹿しいとも。自分自身に嫌気が差す。
番外個体の嬉しそうな顔を見て、話を聞いて。
本来ならば、クソッたれだってクソッたれなりに祝ってやらなければいけない。そうではなかったのか。
「……そォか」
いつもの様に、平然と。
「ずる賢いオマエの事だから上手くやるとは思うけどよォ、くしゃみぶっかけたりすると引かれる事くらい頭ン中に入れとけ」
このドロドロとした思いを悟られないように。押し込めるように。
「そんなのミサカだって分かってるよ、まだ根に持ってんの? 第一位は器が小さいねぇ。
ま、『有り難い』お言葉どうもって一応言っとくけどさ、あーりーがーたーい、お言葉ね、うひゃひゃ」
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