過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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575:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/25(火) 23:20:59.17 ID:wQpE6FjR0
22時20分。この時間帯は、とある夜行性二人暮らしが活発になる。
……はずだったのだが。
白いのは、只今絶賛寝かされ中である。
「だァからァ、別に熱があるわけじゃねェンだよ!」
「んーん、ほら寝て寝て。……今お粥持ってくるからね、絶対食べてよ」
低い声で『お粥』という不穏なワードを残していった番外個体に戦慄しつつ、どォしてこォなった、
と一方通行は無理矢理ベッドに寝かしつけられるという醜態に至った理由を思い返す。
『あー喉痛ェし風邪ひいたかもしンねェ』
といっても思い当たる節はこれしかなく。
少し喉が痛い程度のことを何の気無しに番外個体に漏らしたら、半ば強制的にベッドイン! させられた。
やはり昨日、番外個体を探して薄着で雪の中を走り回ったのが良くなかったのだと思う。
しかしたかが喉の痛み、最新の科学技術を誇る学園都市では1日なくたって市販の薬で十分に完治が期待できるのだ。些か大袈裟な対応といえる。
「肉食いてェ……」
暖房がよく効いて、というか少し暑いくらいに感じる部屋で呟く。
彼ら二人の夕食は遅い。
夜10時すぎ、時には11時を回った頃にいただきますをすることもあり、それはに番外個体のバイトが大きく関係している。
簡潔に言うと彼女が帰ってきてから夕食を作るから、ということなのだが、
一方通行がその時間までまともな食事をとらないでだらだらしていられるのは以前からの不規則生活の賜といえる。
しかし実際は番外個体への色々な思いがそれをさせている、というのが一番大きかったりして、
けれどそれを自覚して受け入れられるほど第一位は素直ではない。
そんなこんなで今日も元気にバイトから帰ってきた番外個体さんにうっかり口を滑らしてしまい、
本日のメインディッシュになるはずだった肉にありつけないまま空腹と闘っているのだ。
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