過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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579:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/25(火) 23:29:27.41 ID:wQpE6FjR0
「はい、今度はちゃんと冷ましたから……あーん」
ずいっとれんげが差し出される。
一方通行の心臓が不快なくらいばくばくと鳴って、ちくしょうと心中で毒づいた。
こんなことで馬鹿みたいに胸を鳴らしている自分が嫌で、それでも嬉しさとかそんなものが勝ってしまうのだ。
そして、一方通行は逆らわない。逆らえないのではなく、逆らわない。
嫌悪に驚喜が勝ろうとも、逆らわずに、そこにそのまま身を預けてしまう。
クソッたれ。何処まで堕ちりゃァ気が済む。少しは抗え。散々ガキ共ぶっ殺してきておいてこンなンじゃ、テメェは本当にクソ野郎だ。
内側で罵っても、矛盾を覆すことなど出来なかった。
「ちょ、照れないでよ。顔赤いって。……ミサカまで恥ずかしくなるじゃんか」
「うっせェよ、照れてねェし」
顔が赤いと指摘されて、羞恥とそんな自分への嫌悪を誤魔化すように言い返した。
そんな一方通行の反応を見た番外個体まで自分の行為が如何に恥ずかしいものか自覚したのか微かに頬を紅くしだす。
何とも言えない微妙な空気になってしまって、
「……、行くよ?」
「ン、ばっちこい」
一方通行は横に目を逸らし、番外個体は顔を俯かせる。
少し場違いな気がしなくもない合図を取り合って、
「……あっつく、ない?」
「お、おゥ。丁度良いわ」
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