過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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760: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/02/21(月) 23:06:11.93 ID:drd2jubno


正直なところ、コーヒーの良さというのが番外個体にはよく分からない。
だから口に含んだ最初の一口をどうにかして飲み込んでから、


「うっへぇ、にがあ! なんか泥水飲んでるみたいなんだけど」


豆を挽いてまでして淹れた本人の目の前で、思い切り顔をしかめてみせた。


「だァから牛乳と砂糖入れてカフェオレにしてやるかって聞いたじゃねェかよ!」

「だ、だってこんなのとは……、あなたがいっつも飲んでるから余程のものかと期待してたんだけどなぁ」


失礼極まりない番外個体はスティックシュガーを2本さらさらと投入する。
その間に、彼女手作りのケーキが乗った小皿を一方通行が持ち上げ、


「あぁ!?」


何の躊躇いもなしに、フォークで口へと運んでしまった。
わなわなと番外個体が震える。
うまくコーヒーの方へ意識を逸らすことができたと思っていたのだが、一方通行はそんなことお構いなしに。
もう少し前振りや何かがあっても良いのではないかと思うのと同時に、どんなことを言われるのだろうかと考えると緊張で喉が干上がった。


「……ン、」

「ど、どう……、かなぁ?」


声が震えて、心臓が喧しくて、自分でも気づかないうちに泣きそうな表情になって、


「……うめェ。すげェよ、やればできンじゃねェか」

「うぇ、ほんと……?」


一方通行の言葉を聞いたとき、不覚にも。




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