過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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809:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/05(土) 00:48:37.70 ID:kgKpUzPQo
「……一方通行?」
そろり、と。
まるで夜這いでもするかの如く、番外個体は彼の部屋のドアを開けた。
電気は点いている。暖房も同様で、少し暑いくらいだ。微かに聞こえてくるのは、携帯かのワンセグか何かか。
お目当ての一方通行は珍しいことに、どうやらベッドの上でそれを観ながら、
「ぴやあ!?」
寝間着にしているスエットのファスナーを真ん中辺りまで引き下げ、胸元をはだけさせて寝てしまったらしい。
何だか妙に妖艶な雰囲気を醸し出すその姿は番外個体を物凄く動揺させて、
「え、ちょ、うあ!? っ痛ぁ!」
足を縺れさせて、盛大に転んだ。
先程の奇声と間抜けな転倒の音で一方通行はうっすらと目を開ける。
「……何してンだ……夜にデカイ音出してンじゃねェよ」
「だ、だって! それより前! 閉めなよ、は、は、破廉恥だっつの!」
「あァ? ……ン、これか。つーかよォ、」
身体を起こした一方通行がファスナーを閉めながら唇の端を釣り上げた。
意地悪に細められた眼は番外個体を見据えて、
「オマエはアレか、変態か。人の肌見て興奮してンじゃねェよ」
「してないし! そんな貧弱なモン見てもなんとも思わねー」
赤い顔で否定というのも中々説得力に欠けるものだ。
ばくばくと高鳴る心臓はどうしたら鎮まってくれるのだろう。
「そりゃどォも。で? 何かあったのか。悪ィな、寝ちまってたわ。つーかこの部屋暑ィ」
「暖房ガンガンだもん。ムカムカしてくるよ」
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